月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

塾で手に入るもの3 第一志望への道案内

塾では過去の成功法則に基づいた、オーダーメイドの勉強方法を手に入れることが出来ます。その次に提供しているのが、第一志望への道案内です。

大学受験で第一志望に合格できる人は10人に1人くらいじゃないでしょうか。高3の4月で名古屋大学を志望したとしても、センター試験を受ける前には三重大学くらいに志望を落として、センターの結果を見て鳥取大学あたりに志望を変えて・・・と最終的には4月の目標はどこへやら?という人も多く、そもそも第一志望を受験するというのがハードルです。めでたく高3の4月の志望校を受験出来たとしても、簡単ではありません。

だからこそ大学受験において第一志望に合格するというのは達成感があるし、その後の人生で自信につながります。

というわけでなんだかんだいって、私はとにかく第一志望に合格してほしいという気持ちで塾をやっています。以前、受験生の94%が答えられない質問という記事で書いたとおり第一志望の合格はとにかくその大学の合格最低点を上回ることが必要で、言い換えればその大学の過去問題さえ解けるようになれば何でもOKです。

生徒の第一志望の大学の過去問題は一通り頭に入れていて、それを解けるようにするために何が必要かという観点で普段生徒のことを考えます。

たとえば、センター重視の生徒なら、英語は細かい文法・熟語を覚えておかないといけませんが、センターがほとんど関係ない生徒なら英語は解釈だけ鍛えて文法を覚える時間は別の科目に割いてもらう、ということが考えられます。

高1〜高2までの基礎詰め込み時期にはあまり大きく変わることはありませんが、高3になると生徒によって最終的に仕上げて欲しい能力が変わってくるので、その点は常に意識して教えています。

この点は高校とは明らかに違っていて、高校というのは生徒数百人の学力を上げる場所であるのにたいして、塾は生徒個人の学力をあげる場所です。生徒の志望は様々で、東大、東工大、早慶を目指すという生徒もいれば、名大や南山大を目指す生徒もいます。志望校はどこであれ、第一志望に合格するための最短経路を考えサポートするのが塾の役割です。

ひたすら問題を解かせて宿題を与えるという中学生向けの塾や、ただ単に生徒のレベルに合わせて教えるという個別指導の塾とは、全くの別物です。生徒に過度の宿題を与える高校生向けの塾は需要がありません(高校で事足りる)し、私が生徒のレベルに合わせて教えていたらショボい大学しか受かりません。生徒のレベルを引き上げて、生徒がレベルを合わせてもらうようにサポートします。

清須市の大学受験 相伝学舎
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塾で手に入るもの2 オーダーメイドの最初の一歩

ネットであふれている「効率的な勉強方法」や「定番の参考書」は、調べればすぐに出てきます。

大学受験というのは、やるべき参考書とそれをどう取り組むかというのはずっと昔からだいたい決まっています。そのなかで宗派みたいなものがありますから、速単派の人は速単の効率的な使い方を指導しますし、シス単派の人はシス単で同様のことをします。DUO派やユメタン派も前二者と比較したら少ないものの、同じことです。(ターゲット派は絶滅危惧種ですが公立高校でガラパゴス化しています。)

宗派の違いは大きく見えるかもしれませんが、どの参考書も使い方やペースが確立されていれば結果が出るものです。キリスト教でもイスラム教でも信仰すれば幸せになれるのと同じです。 ちなみに私は速単派かシス単派かでいえば速単派であり、速単派として速単を最大限活用する方法を指導しています。しかしシス単はダメというわけではなくて、シス単の良い使いかたを教えてくれる人に教わるなら、それでいいと思います。

私の指導では、すでに英語ならこれ、数学ならこれ、というある程度の道のりが決まっており、あとは生徒の現状の学力と志望校のレベルにあわせて、残された時間をどう配分するのか頭にいれて最初の勉強内容を指示します。

ネットや本の合格体験記で書かれていることは万人にとって当てはまることではありません。「部活が終わってから本気出して東大に合格した」という体験記を読んで、「じゃあ自分も部活が終わるまで勉強はそこそこにしておこう」という判断が正しいと思いますか?

田舎の公立高校の生徒にとって、合格体験記の致命的な落とし穴があります。それは、そういう合格体験記を書いている生徒は有名一貫校であることが多いということです。もとのレベルが違いすぎるし、学校の指導内容もスピードも公立高校とはまったく異なります。だから、独学で合格体験記を読んでうまく真似するのは極めて難しいのです。

他人の成功体験を自分に当てはめようとするには、まずそのお手本となる成功体験と自分を比較して致命的な差がないかどうかを検討することが絶対に必要です。これが生徒が自分で勉強方法を模索することの難点です。

一方指導者側からみるとこの作業はそこまで難しいことではありません。新しく生徒を教えるときには、過去の成功法則のなかから近いものとその生徒の状況を比較して、少々アレンジするというだけで、その生徒にとってベストなやり方を提供することができます。もちろんそれより良いやり方はいくらでもありえるでしょうが、10点満点で9点の指導は出来ます。4点と9点の間には大きな差がありますが、9点と9.5点の間の差は問題視すべきではありません。その0.5点を探す時間で、0.5点分を失ってしまいます。

(つづく)

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塾で手に入るもの1 勉強方法

塾や予備校の存在意義が何かが分からない人がいると思いますので、そういう人に説明します。

生徒に提供しているのは大きく2つあり、1つめは英語と数学が得意になるような勉強方法を教えること、2つめは生徒それぞれの第一志望校に合格するために必要なことをアドバイスすることの2点です。

1つめについては想像しやすいでしょう。塾に来る生徒は現状の学力に満足していません。苦手な科目を得意にしたいという生徒もいれば、すでにまあまあ出来る科目でももっと伸ばしたいという生徒もいます。そういう成長を実現するために、どのような勉強をするのが一番良いのかを伝えます。

過去の私自身の経験や、別の生徒に教えてうまくいった経験を応用します。つまり私が知っている成功法則を演繹するということです。ブログ上でも「勉強方法」のカテゴリでいくつか書いていますが、そういう内容を教えます。もちろん、生徒ごとに課題が異なるので、成功法則をアレンジして提供します。

初回の面談と最初の1-2週間の指導を通じて、何をやれば苦手から得意に、得意からより得意に出来るかが分かります。それで当面の自習内容をアドバイスしますが、その通りにやってもらえれば英語でも数学でも分かるようになります。この点については自信があります。ただ、アドバイス通りやってもらえないといつまでたっても良くなりません。

指導というのは基本的には特定の参考書を、特定の方法で取り組むという内容のことを指すのですが、参考書ベースの勉強なら自分でネットで調べて出来るじゃないかと思う人もいるかもしれません。しかし、実際ベストなやり方を探して決めるのは極めて困難な作業だということを知ってください。

たしかにちょっと調べれば評判の良い参考書はいくらでも名前が出てくるのですが、各科目で一度に取り組める参考書は一番多い英語でもせいぜい3-4冊、その他は3冊以下程度でしょう。しかし、候補はその何倍も上がるはずです。そこから選ぶのがまず第一のハードルです。

青チャートかフォーカスゴールドか、一対一かプラチカか、速単かシス単か、駿台英頻か桐原英頻か、ビジュアルかポレポレか・・・学校の授業は全て切るのか役に立ちそうなものを残すのか。

高校生が選べる無数の選択肢を吟味するので一苦労(というか書店で比較しても何がいいのか判断つかないでしょう)ですが、その次の課題は、それをどう取り組むかです。

仮に青チャートを選んだ場合に青チャートの例題だけやればいいのか練習問題やエクササイズもやらなければいけないのか、ノートをつくったほうがいいのか、どれくらいの頻度で取り組めばいいのか。

速読英単語の英文ページを取り組むのか単語ページを取り組むのか、単語ページの細かい派生語・類語まで丁寧に覚えたほうがいいのか。

もちろん自分で試行錯誤していくなかでベストなやり方が見つかりますから高1くらいなら試してみても良いかもしれません。しかし時間がない高2高3の段階で、試行錯誤しているヒマがあるでしょうか。時間切れになってしまいます。

(続く)

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主役はあなたではありません

先日ある生徒に「第一志望の入試前日に自分が後悔しないようにしなさい」という話をしました。このことは、この生徒に限らず全ての受験生にとって大切だと考えています。

入試前日の夜、そして入試が終わったあとで「全てやりきった」と思えればその生徒の受験生生活は成功といえます。受験が成功するかどうかとは、別の話です。

そう思えるには、限られた受験生生活において自分が必要だと思う勉強を合格するのに必要だと思う時間だけやりきることが求められます。

つまり「第一志望の入試前日に自分が後悔しないようにしなさい」というのは、「何事も自分で判断しろ」ということです。

この地域の高校生は、普通に生活していたら自分で判断する機会を奪われ続ける生活をします。中学生は塾に奪われ、高校生は学校に奪われます。やるべき勉強を塾や高校が与え続けます。

この標準的生活で「やりきった」と思うのは、受験生であるあなたではなく、塾や高校です。とくに高校についていえばもう少し限定的な意味で、「(適当なコッコウリツ大学に生徒をぶち込むためのことを)やりきった」という意味になります。あなたの第一志望校に合格するためのことではないことに注意してください。

もちろん知識や経験のある、塾や高校が「やりきった」という指導に身を任せれば、自分で考えるよりも高い学力を得られる可能性はあります。無気力な学生に限れば間違い無く学力は上がるでしょう。

しかし、そういう指導による合否結果はどう解釈できるでしょうか。気持ちよく「自分がやりきった」と受験生本人が思えるかは、分かりません。

私は生徒に人生に介入しすぎる勇気はありませんし、そうしたいとも思いません。責任をとれないですからね。お金を頂いている以上、生徒にたいしてはこうすれば学力があがるという勉強内容や勉強量は根拠とともに明確に伝えていますが、それをやるかやらないかは最終的には生徒の判断に任せるほかありません。

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中学英語と高校英語と大学受験英語は完全に別物

It is natural for parents to love their children.

という文は、中学英語では

「親が子供を愛するのは当然だ」

と訳してしまったら減点されるかもしれません。

It is 形容詞 for 人 to-

の構文は「人にとって、-することは形容詞だ」が正しいし、theirに対する訳が無いのも気になります。

大学受験英語なら上の訳で減点はないでしょう。

中学英語は「中学英語」です。絶対的基準は先生の訳です。中学生に教科書の和訳を頼まれればやりますが、「この訳で意味は間違いないが、先生の授業中の訳とズレがあれば先生の訳で覚えなさい」と伝えています。

高校英語になると、中学英語のような重箱の隅をつつく問題の対応はなくなり、大学受験の英語に近づきますがそれでもまだ別物です。英文読解力がなくても教科書の日本語訳を覚えれば良いので、英語と日本語の中間というイメージです。

大学受験英語になるとだいぶ英語そのものに近づきます。国立大学の和訳問題は、英語を本当に正しく読めていないと減点・減点・減点・・・となり、解釈力が試されます。

読解という点においては大学受験英語と英語そのものはほとんど違いが無いように思われますが、文法問題に目を向けると「表現が古い」という批判をしばしば聞きますので、英語そのものとは違いがありそうです。

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