月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

終わるまで帰れないテスト

今日は合格するまで帰宅できない恐怖の英単語テストを実施しました。範囲はシステム英単語Basicの1-900までからランダムに45問。全問正解で合格です。

結果は、一発で合格したのが1名、二発目で合格したのが1名、あとは、何度もやって合格した生徒もいれば、諦めて次回にする生徒もいれば、用事があるといって不合格のまま帰ってしまう生徒もいました。苦言を呈しますが、論外です。

今回は、ふだんの英単語テストでは完璧に覚えてきてくれない生徒が、「この後に用事があるから」といって一発で合格して帰っていったのが、なかなか良かった。こうやってけじめがつけられる人間であれば、大学受験もなんとか乗り越えていきそうなイメージがつきます。

 

普通の人にとって、自由な状態にされると逆に不自由になります。自由な状態を活かすことができる人は極めて少ない。

私が「行ってはいけない」と、○○高校とか××高校のことをblogに書くことがありますが、普通の人はむしろ喜んで進学すべき高校です。同じ学力の350人の生徒が某スパルタ高校にいくのと、名古屋市内のゆるゆる高校にいくのとでは、進学実績に明らかな差がでます。大学受験でより高いレベルの大学に合格したい、という願望があるのなら、350人中340人くらいはスパルタ高校に行ったほうが結果が出ます。

それは、スパルタ高校にいけば、やることが全て決められて、毎週の小テストや定期考査の再テストにベルトコンベアに乗るかのように対策していけば学力がつくからです。周りの生徒も文句をいいながらもある程度勉強するので、自分もやらなきゃいけないという気持ちになる。

つまり、本来サボり癖のあるカメでも、外からの強制力が作用すると、サボらずに歩むことができるから、自由な環境におかれるより結果が出る、というわけです。(しかもタダ!塾に年間何十万円も払う必要ありません!)

一方、そういうサボり癖のあるカメが聞こえのよい「自由な」生活を送ったらどうなるか。

スパルタ高校や宿題漬けの塾のような外からの強制力がないと、「今日はやらないでいいか」という甘えに打ち勝つのは自分のストイックな心しかなくなりますが、甘えに打ち勝つ鉄の心を持った人間なんて、野球のイチローか、サッカーの本田か、ゴルフの松山くらいなもの(いいすぎ?)で、普通の人間は自分の力だけで打ち勝つのはむずかしい。だから、強制力がないとただの「サボるカメ」のまま終わってしまうのです。

 

私はblogで理想ばっかり語っていますから、教育熱心なお父様お母様には響くかもしれないし、サボりたい中学生にとっては「自由な高校のほうがいいんだ」とかまにうけてしまうこともあるかもしれませんが、私に騙されないでください。私の塾のターゲットは学年350人中の10人とかそこら。40人クラスで1人いるかいないかの、自由な環境が与えられたほうが実力が発揮できる、自分に厳しい希少種の高校生です。

ビジネス上は39人の出来ないほうを相手にしたほうがパイがでかいし、あまり頭を使わない人のほうが高いサービスを売りつけることが簡単でしょうけど、私は強制力によって大学受験を乗り切ることに何の魅力も感じないし、そういう人間を生み出すことで社会にプラスの影響を与えられるとはみじんも思いません。私がやらなくても、誰かがやってくれます。

一方、希少種であっても田舎の公立高校にいると、本当のことを知らないまま受験を成功させられないという潜在的な損失が地方には絶対あるので、そういう生徒には是非私のところに来て欲しいし、受験を成功させて高学歴になって、その後自分の使命を果たしていってほしい。self motivatedな生徒は、10年後20年後にどう活躍するかというイメージがつくのでたかが勉強を教えるにしてもすごくこちらのやる気がでるし、そういう生徒に色々入れ知恵してあげるのは私の役割だと思っています。  補習サボったほうが学力つくよ、なんて本当のこと教えてあげられる人間は塾から半径10km以内ではたぶん私くらいでしょう。

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「おまえ大丈夫?」問題

「あいつは分かってない」といえば、うちの塾には「補習なんて行くだけ無駄、自習してたほうがずっと学力がつく」というスタンスの生徒が一定数居て、そのスタンス通り放課後の補習はもちろん夏休みの補習にも参加しないで自習室にこもる場合が多いのです。すると、たまに同級生から「おまえ、大丈夫なの?」的なことを言われることがあるようです。去年、医学部に受かったK氏も言われたようだし、今日もある生徒がそんなことを言われたと言っていました。

でも、自習派人間である私(たち)からすれば「補習出てるおまえが大丈夫なの?」という感じ。まあそんなことを言ったら波が立つだけなのでそういう会話になることはないと思いますが。

今日話した生徒は「授業聞いてると眠くなるし、やった気になるだけだし、復習やればいいのかもしれないけどやる気にならないし、それよりは自分で参考書開いてやっていたほうが分からないことはとことん追求できて勉強になる」といっていましたが、これが全て、that's all!

「学年全員」を想定した授業が自分にぴったり合うなんてもはや都市伝説です。自分が分からなくても授業は先に進んでいくし、十分わかっていても授業は先に進まない。それに比べれば、分からなければ分かるまで考える時間があって、簡単ならさくさく読み進められる自習のほうが、効率が良いことは明らかでしょう。受験までの時間というのは有限ですから、常に効率を考えなければならない。しかし、効率を考えるより、長い時間授業を聞いたことで充実感を得て、勉強した気になってしまう生徒が多数派です。

みんな、考え方がボトムアップなんですよ。これだけ積み上げれば、合格に届くはず、って。でも、受かる人は逆算です。合格するには、これだけのことをやらなければならない。

ボトムアップの人だってたしかに進んでいるかもしれませんが、その速度はカメどころではなく、大陸の動く速さくらいなものですねぇ。

「勉強は自分でするものだ」と思ったあなた!あなたのための塾がここにあるんですが、勉強は自分でするものと思ってる人がただでさえ希少なのに、さらに塾で教えを請おうと思う人はますます少ないので、私の塾はマーケティング上致命的な欠陥を抱えています。どうしましょ?

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コツコツ継続する亀タイプの高校生はいません

昨日、壮大な嘘をついてしまいました。

現実のウサギとカメの話をお伝えします。まず、童話ではウサギとカメには能力の差があり、ウサギが速くてカメが遅いということになっています。普通に競争すれば、ウサギが勝ちます。

 横軸に時間、縦軸に距離をとればそれぞれの速さは直線の傾きで表現できます。

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しかし「強いものが勝ち、弱いものは負ける」では誰の共感も得られませんので、物語の設定上、ウサギはサボり癖があることになっています。そして、カメはコツコツ継続する特殊能力のおかげで、ウサギに逆転勝ちできます。

これはいかにも、無能な人間が「俺は本当は出来るんだ」と思い込むことをあおる物語です。多くの人に共感される物語とは、大多数の無能な人間に共感を与えるものです。

 

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ところがどうでしょう。実際に、ウサギがサボってカメが継続するでしょうか?

そんなはずがありません。ウサギはこれまで継続してきたからウサギなのであり、カメはサボってきたからカメなのです。

中学時代に定期試験対策をコツコツ継続してきたから高校になって難しい数学についていけるのであり、中学時代にたいして勉強してこなかったから高校の数学で死亡するのです。

 

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つまり、現実とは「ウサギとカメ」なのではなく、トランプの「大富豪・大貧民ゲーム」です。強いものは最初から強くて、弱いものは相当頭を使わないとちょっとやそっと継続するくらいでは勝てない。

もしくは、現実とは「ウサギとカメ」の勝負なのではなく、「ウサギの速さを持ったカメと、カメの速さしか持たないウサギ」の勝負と言ってもよいかもしれません。

もちろん、絶対に勝てないわけではないのですが、「ただ継続するだけ」というだけではダメです。もっと地味で、忍耐を必要とします。

それは「倍の時間継続する」です。

 

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倍の時間勉強(=時間軸を圧縮)してやれば、カメの傾きをウサギの傾きに近づけることができます。そうすることで、カメはやっとウサギに追いつける。いや、そうすることでしかカメはウサギに追いつけません。

大学受験にはカンニングや替え玉以外に「してはいけない」ルールはありません。1日24時間勉強したって誰も文句を言えないのですから、そのルールを利用して2倍でも3倍でも勉強すれば簡単に能力差を克服できます。

理屈ではとっても簡単な「他人の3倍勉強するカメ」戦略は、塾の生徒ではちらほら見かけますが、現実には希少種と言わざるを得ません。

これでまた人気塾に一歩遠のきました。本当のことを言われて喜ぶ人なんてそうそういないですからね。 耳が痛いことを言ってくる人に「その通りです。今日から改心します。」とはならない。「あいつは分かってない」となる。

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あなたはウサギ?

今日は生徒の弟で塾に入りたいという高校生がいて、学力がすごく低いのでちょっと国立は無理よと伝えたら生徒のお母さんが泣き出したかと思えば、塾を閉めているときに無断で自習室に忍び込んで利用している生徒に説教をしたら逆切れされる、という2本だての夢をみました。東映の夏休み映画みたいですね。睡眠で身体をやすめたはずが、10時間くらい働いたくらいの疲労感とともに目が覚めましたよ。毎日、朝から晩まで塾のことと生徒のことを考えているので、こうやって夢で働くことも結構あります。

さて今回の合宿。半数が高3で、半数が中3・高1・高2です。高3にもなると「やらなきゃいけない」という切迫感があるのでテンションを高めに維持しやすいし、年齢とともに集中力は上がっていくこともあり、朝から晩までの勉強といってもさほど大げさなことではありません。

一方で、高1と高2はまだ受験本番まで1年以上ありますから、まだ受験が未来のことのように思えてもしかたがないことです。そんな状況で、1日11時間机に向かい続けるというのは、時間帯によってはキツく思えることもあるでしょう。 

でも高1、高2にとって今ハードにやることはやった分以上のプラスが得られるはず。

とくに高1はまだ入学して4ヶ月で、数学で進んだ分野も多くありませんが、二次関数と場合の数確率というIAIIBでは最もハードな分野を履修したのも事実。夏休みをまるまるこの2分野に使えるというのはアドバンテージです。最大最小問題を簡単に思えるくらいひたすら繰り返しやって、解の配置と定数分離まで出来れば頭1つ抜けたと言っても過言ではありません。

ここで理解を深めることができれば、秋以降に始まる数IIBの分野でもずいぶん余裕が出てくるはず。数IIBの問題の多くは二次関数の考え方を利用するからです。

排気量の大きい車で高速道路を走るとラクなのとイメージが近いかもしれません。

みんなが遊んでいる間に勉強するのが一番簡単な勝ち方なのは、ウサギとカメの話を持ち出すまでもありません。

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塾のお手入れ

毎日のように注文したものが届きます。昨日はウォシュレットの件を書きましたが今日は高級(?)問題集。

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全国津々浦々の大学入試問題が掲載されている問題集です。一冊5000円くらいします。英語は何日かかけて目を通して、「これは読解できるか微妙だな」というセンテンスをひたすら探します。数学のほうは時間がかかりますが国立大を中心に解きます。チャートを一通り勉強した生徒にとってちょうど良い問題がないかを探します。

 

もう一つ。また便所かよと思った読者のみなさん。便所です。

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ドヤ顔をしている最新ウォシュレットのリモコンの下にある、何十年前のものか不明なトイレットペーパーホルダー。これ、ネジでくっついているだけなので簡単に交換出来ます。調べてみたら、2000円くらいで売ってました。昨日、早速注文しました。

 

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ドドン

二連装です。ネジ穴が合わなかったのですがタイルに穴をあける工具がなかったので強めの両面テープでくっつけました。2つで4000円しなかったので、もっと早く交換すればよかったと、少し後悔しています。

日進月歩な塾での日々であります。 

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