月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

入試英語どうなるの 2

私の予想です。英語についてです。

国立大学は、今のセンター+二次試験というバランスを崩したくないので昨日の記事にあるように、なるべくこれまで通りの形式の試験を維持しようとするでしょう。学者になるのにリスニング能力なんてさほど重要ではないし、ライティングはおままごとみたいなものではなくてアカデミック用のものを大学でちゃんと訓練する仕組みになっているはずです。海外の文献をよむのに一番重要なリーディング能力、とくに英文を正しく読むことを重視したいはず。(だから、国立大は和訳問題が多いんです)。

私立大も慶應は民間移行するとは考えにくい。すでに学部別に、かなりポリシーのしっかりした問題を作っているので、こういう学生に来て欲しいというのがはっきりしているはず。早稲田はどうかわかりませんが、難易度的にいって民間移行はなさそうな気がします。

上智はすでにTEAP利用を実施しているし、というか作成しているのが上智なのでさっさと移行してお金を稼ぎたいでしょう。

マーチ以下の大学は、民間移行もありえるかもしれない。なるべく多くの入試方法を増せば、入試一種類あたりの合格者を少なくして偏差値を上げることができるし、入試方法が多いほうが受験生にたくさん課金できます。一見、受験生にとってはチャンスが増えているようにみえて、ただお金を巻き上げられているという・・・。

だから、河合塾偏差値55以下くらいの大学を志望する生徒にとっては、今までのような受験英語とは違って、英検的な少し緩い雰囲気の勉強に中心が移っていくのかもしれません。

でも、難関大と国立大は受験英語はかわらず、場合によっては単純に負担増。これが今の私の予想です。

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入試英語どうなるの 1

www.nikkei.com

今の中3から変わる大学入試制度は、私の予想では「なんだかんだいって全く変わらない」というものだったんですが、英語の変更だけは受験生には多少影響をもたらす着地になりそうです。

今の入試英語はほとんどがリーディング能力のみを問う形式になっており、一部の難関大学ではライティングも出題されています。リスニングはセンター試験で課されていますが、あえて対策する必要のない平易な問題です。

それが、入試改革によって「4技能の測定を!」とかいって、私には「ヨンギノウ」というキャッチフレーズだけ一人歩きしているようにしかみえないんですが、とにかくリーディング偏重の入試は改めようということで、英検などのもう少しバランスのとれた民間試験をセンター試験の代わりに使っていきましょうという流れになっています。

ただしいきなり民間試験に移行するのではなく、最初の数年は従来のセンター試験みたいなものと併用して選択できるようにしましょう、となっています。

大学側はこの変更に否定的な見方をしているところが多く、その流れで国立大は民間試験と従来型試験の両方を課すことにした、というのがニュース記事です。

これによって受験生にとっては基本的には負担増という結果になると言ってよいでしょう。従来型試験(マーク式)とは別に、各大学が作成する二次試験が無くなるとは今までどこにもかいていないので、これまでセンター+二次だったものが、センター+二次+民間試験、という負担になるのだとしたら、結構忙しいです。

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平均通塾時間50分

先日塾のすぐ隣で清洲城のお祭りがあって、「どこにこれだけ清須市民が生活していたんだろう」というほど賑わっていたんですが、私が考えることとしたら「なんでこの人達はうちの塾に来ないんだろう」という疑問であります。

で、久々に入塾を決めてくれた生徒がいたと思ったら、ご自宅からは一時間程度の距離。今日、高2の生徒に「きみたちの通塾時間、何分」とアンケートをとったら、平均して50分でした。この数字で張り合ったら駅前の大手予備校ともいい勝負できそうです。「おまえんとこ何分〜?!おれ50分〜!」みたいな。

それだけ通塾時間が長いということは、色々な塾や予備校が近くにあるのをすっ飛ばして通ってもらえるということなので私は嬉しい。そして、自慢。

でも一番思うのは、入塾を決意する生徒本人の向こうにいる親の存在です。遠方から見つけてくださるのは基本的には生徒本人ではなくて保護者のかたなので、子の受験のため(将来のため?)には多少遠くても検討に値すると考えていただくのに、愛を感じます。

人間の成長というのは家庭という器によって左右されるのだと、あらためて考えさせられます。

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じゃあどうしたらいいのよ問題

大学受験で学力といえば難しい数学の問題がとけるとか、単語をたくさん覚えているというような、ペーパーテストに直結することを指すように考えられていますし、私も最近までそうだと思っていました。

しかし、学力以前に終了している生徒が少なくないことを知ると、当たり前のことでさえ学力である、言い換えれば当たり前のことでさえ教育の成果であるのではないか、と思わざるを得ません。

 

当たり前のこととは何か

・志望校のレベルに対して今の勉強方法では受験までに間に合わないと判断できる

・高校の勉強と大学受験の勉強に違いを感じることができる

・時間は有限であると理解する

・自分の学力に志望校を合わせるのではなく、志望校に自分の学力を合わせると考える

・大学受験で人生の方向性がだいぶ具体的になることを想像できる

・教えを請うことができ、教わったとおりに勉強を継続できる

 

数え出せばキリがありませんが、とりあえず以上の6点が備わっていればスタート時点の学力が低くてもたいていの大学は挑戦可能です。そういう生徒が最後までE判定ということはよほどないとは思いますが、かりに最後の模試でE判定だったとしても「のこり1ヶ月で合格点まで学力が伸びるから大丈夫」と自信をもって励ませます。

以上の6点はご家庭での教育の成果というほかなく、学力の向上というのはどれだけ私が効率的なことを教えたとしても生徒の上記のような判断力に頼らざるを得ない以上、塾というのはハンバーグにパセリをのせるとか、ケーキにミントをのせるとか、お刺身にタンポポをのせるだけの簡単な仕事以上の存在にはなれないのではないか。(※刺身についているのは菊)

しかし、6点が備わっていても、勉強方法という最後のタンポポがショボいと受からないのが大学受験なので、簡単なお仕事といってもそれなりに存在意義はあると思ってます。とくに田舎の公立高校というのは私が救える命がたくさんある。

以上のことを考えると、まだ大学受験がずいぶん先というご家庭におかれましては、「勉強しろ」とケツを叩くよりもご子息・ご息女の判断力を養うことを考えていただいたほうが、よっぽど最終的な学力に結びつきますし、勉強面以外でも色々充実してくるんじゃないかと甚だ僭越ながら木村は思うのです。

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じゃあ「勉強しなさい」と言わなかったらいいのかよ問題

子供が勉強しないことにたいして「勉強しなさい」と言っても勉強するようにならないどころか、逆に勉強したくなくなるという、全国で風邪と同じくらい頻繁に報告されている問題があります。

こんな表が作られるくらいです。

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「勉強しなさい」よりも効果的!?な、子どもの学習意欲を高める関わり方|ベネッセ教育情報サイト http://benesse.jp/kyouiku/201203/20120322-1.html

 

「東大にいく方法」的な本を読めば、東大生の多くは、「勉強しろと言われたことはほとんどない」と書いてあります。

東大生の親に聞いた「頭のいい子」「集中力のある子」の育て方

東大生の親に聞いた「頭のいい子」「集中力のある子」の育て方

 

 

では、庶民がそれをまねして「勉強しなさい」と言わなければよいのかというと、そう単純な話ではないと、最近考えています。

 

「梅が咲いたら桜が咲いた」と聞いて、どう思いますか?梅が咲いたから桜が咲いたんじゃなくて、梅が咲いた程度に気温が高くなったから、その後桜が咲いたんじゃないかと冷静に突っ込むでしょう。「梅が咲く」と「桜が咲く」は、相関関係があっても、因果関係がない例です。

それと同じように、「勉強しなさいと言わなかったら、勉強をした」というのは、相関関係があっても実は因果関係は薄いんじゃないでしょうか?

「勉強しなさいと言わない親の家庭で育ったから、勉強をした」と表現を改めたほうが、現象を正確に理解できるでしょう。

親が一生懸命働いていて、成長意欲があってヒマがあれば読書や勉強をしている家庭で育てば、子もそれが普通だと思って勉強しろと言われなくてもある程度勉強するようになる、という因果関係が背後にあるのです。たぶん。

こう考えると、勉強しなさいと言う親の家庭で育っている子に勉強しなさいを言わなかったら勉強し出すのかというと、そうなるとはとうてい思えません。だからといって、勉強しなさいと言ったら言ったでとくに中高生はやる気を削がれるだけなので、ある年齢を超えてしまったらもう親に出来ることは何もないように見えます。

「子供が勉強しない原因は家庭にあり」と言うのはあまりに受け入れがたいし、あまりに角が立つ仮説なので声高に言う人はいないと思いますが、歯に衣着せぬ木村ブログ的には一応書いておきました。

 

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