月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

合格するためにじっくり1問と向き合おう

先日は、この記事↓で

合格するために1周目はどんどん答えを見よう - 月刊木村:清須市で営む塾での日々

パッとみて解法が思いつかなかったら、模範解答をすぐ見てしまう勉強方法を紹介しました。

この要領で数学の解法をどんどん覚えていくのは高1〜高2のうちは特に有効です。面白いほど模試・実テの順位が上がります。そしてこの勉強方法でたいていの大学の入試問題は対応できてしまいます。

一方で、チャートを覚えただけでは解けないレベルの問題というのももちろんあります。たとえば名大の入試は2時間半で4題しか出題されません。もしその4題が青チャート例題だったら、30分で4題分の答案を作成して残り2時間かけて見直しなどというばかばかしい入試になってしまいますが、もちろんそんなことはありません。

「どういうアプローチで解くのだろうか?」

「n=1, 2, 3,と代入してみたら答えの予想がつかないか?」

「式の変形が複雑すぎて到底合っているとは思えない。どこかで方針転換が必要ではないか?」

などと自分で色々検討しながら、30分で1問を仕上げていくことになります。というか全ての問題を最後の答えまで書き切るという受験生もいないので、30分掛けて問1の(1)まで解いた、みたいなことも十分ありえるのです。

このような1問を時間をかけて考えさせる入試に対応するために、

普段から1問と向き合う時間を作りましょう。

赤本で数学を制限時間で解いてみて、ぜんぜん解法が思いつかなかった問題を1日寝かせてみて、翌日解いてみて新しい切り口で解けないか考え、それでもだめなら2日、3日と考え続けてみるという勉強方法です。

当塾だと最近は高3の数学の授業で文系、理系とも東大の入試問題を扱っています。3問-4問を次回のお題として与えて、1週間かけて答案を作ってもらいます。実際には30分かけても解けない問題も多いので、その場合には1日置いてふたたび考え直す、みたいな予習をしてほしいと思っています。

そうやってじっくり1問と向き合うなかで「発想出来た!」という感動が10問に1問くらい得られて、次の一問と向かい合う自信と経験につながっていきます。

実際に東大を受ける予定の生徒はいませんが、二次試験で難問に向き合う必要がある生徒にはこの勉強法が効きます。

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大学受験 相伝学舎 (清須校舎、桜山校舎)
http://www.sodeng.jp

合格するために時間ではなく量で計画をたてよう

塾をやっていると、

勉強に生まれつきの差はない!

とは正直言い切れないところがあります。

同じ2時間という時間のなかで、1問か2問を理解するのが精一杯な生徒もいれば、難問をどんどん解いていってしまう生徒もいます。1週間前に取り組んだ問題のときかたを完全に忘れている生徒もいれば、何ヶ月も前に一度だけ解いた問題をうっすら覚えていてうろ覚えながら解けてしまう生徒もいます。

それが生まれつきの才能なのか、あるいは中学3年生までの親御さんの血と涙の教育の結晶なのかわかりませんが、そういう差があるのは事実です。勉強の出来る生徒の1時間は、苦手な生徒が10時間やっても及ばないくらい密度が濃いのです。

そう考えると、1日の勉強計画を時間で管理するのはナンセンスです。たとえば勉強が苦手な高校1年生がいて、平均的高1の自習時間が2時間だとしたら、同じく2時間だけやっていたら差が縮まらないどころか、平均的な高校生よりは勉強の密度が低いから勉強が苦手なのだと考えると、逆に差は開いてしまいます。

なので2倍の4時間くらいやってやっと差が開かなくなって、3倍の6時間くらいやって差を縮めていくことができると考えてください。

しかし2倍とか3倍というのはイメージでの話であって、実際の勉強計画で参考にすべき数字ではありません。

そこで、勉強時間ではなくて勉強量で計画を立てて下さい。

○1日でチャート例題を5題解く

○単語を50個覚える

○物理の問題を5題解く・・・

というイメージです。

こうすると、なんとなく2時間勉強して満足しただけということにはなりません。そのうち結果が出てきます。


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合格するためにセンター試験過去問は最低25回分やろう

国立大学志望者は2月に二次試験を受ける前に、1月にセンター試験を受ける必要があります。

 

センター試験で取りたい得点率は、

医学部、東大京大 90%

難関国立 80%

地方国立 70%

とりあえずコッコウリツ 60%

です。

 

センター試験はよく「センターレベル」などと問題集に記載があって、いかにも簡単そうな雰囲気を出してくるので60%くらいなら誰でも気軽に取れるのではと思う人もいるかもしれませんが、そんなに簡単な試験ではありません。

むしろちゃんとした学力をつけていないと解答できない問題が多く、3年間コツコツやって80%とれたらそれだけで鯛の尾頭付きモノです。70%でも結構頑張ったんだなという印象です。

それに加えて科目数が多い。それなりのレベルの国立大は7-8科目を受験しなければいけません。得意な科目1科目で80%とるのはそこまで難しいことではないのですが、複数科目でトータルで80%のせるとなると至難の業です。全ての科目で80%をとるのではなく、90%とれる得意な科目をつくりながら、苦手科目で70%であってもトータルで80%になるように計画していくことが大事です。

センター対策としてやるべきことは、普段の勉強に加えてセンター試験の過去問を解ききること。

 

大学入試センター試験過去問レビュー英語 2020 (河合塾シリーズ)

大学入試センター試験過去問レビュー英語 2020 (河合塾シリーズ)

 

 こういう過去問を買うとだいたい25回分は過去問がついてくるので、本番までにちゃんと解ききるよう計画をたてて取り組みましょう。もちろん自分が受験する科目全部ですよ!


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英語外部試験の導入が延期に

現高2からセンター試験がなくなって、代わりに共通テストというセンター試験みたいなものが始まって、ついでに英語の外部試験が加わるという予定だったのが、英語外部試験については延期になりました。

www3.nhk.or.jp

今まで高1、高2の生徒のなかには英検を実際に受験したり、対策を考えていた生徒もいたと思いますが、英検やGTECなどの外部試験の心配はなくなり、ほぼ今まで通りの入試になることになります。

私はblogではこの件については全然触れてきませんでした。

というのもこの新しい大学入試制度については状況がコロコロ変わりすぎて、その都度情報発信してしまっては結局不安が大きくなるだけになると考えていたからです。

英語外部試験が取りやめになることについては、ほとんどの高校生が「めんどくさいことにならなくて良かった」と思っているのではないでしょうか。

対照的に、一部、激おこな先生もいらっしゃるようです。激おこな先生の言い分は、「今まで対策していたのが無駄になった!激おこである!」みたいです。

 

www3.nhk.or.jp

でも、たとえば英検対策で勉強したことって無駄になるんでしょうか?

それで無駄になるようなことがあるなら、それは英語の勉強ではなくて試験に最適化する勉強だったのでは?


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合格するために赤本を一回解いてみよう

合格最低点を取るための計画として昨日は時間配分の考えを紹介しました。

高3になってくると実力がついてきて、もっと詳細に計画が立てられるようになります。そのときには是非、

 

赤本を一回解いてみましょう。

 

志望校の赤本を買って1年分実際に解いてみて下さい。

すると、実際に出題される問題の難易度や出題傾向(和訳が出るのかとか、英作文が出るのかとか)が分かります。最低点が7割だったとして、その問題でだいたい7割取れるようになるにはあと自分に何が足りないのか考える手がかりになります。

これは公立高校生の場合、高3の今頃の時期からやっと取り組める作業です。

高1、高2のうちは解いてみても数学は問題の意図すら分からないし、英語は知らない単語が多すぎて長文が全く読めないという状態になるからです。高3になるとチャートはある程度覚えて、単語や英文解釈もある程度トレーニング出来た状態になるので、過去問が全く分からないというのはなくなります。

仮に解けなかったとしても模範解答を読めば難易度が分かるはずです。

ただ注意としては、国立志望者の場合、今の時期の第一志望にめでたく出願できる人は残念ながら少ないです。感覚的には5-6人に1人程度です。

自分がその1人に入るなら今のうちから二次向けに計画を立てたらよいのですが、自信がなければセンター後にしてください。

私大専願の場合は、ダメ元でも第一志望を受験する人が多いので積極的にチャレンジしてみてOKです。

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