月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

増減表の書き順

数IIの微分の分野で「増減表」というものがあります。

増減表には書き順があるので、生徒諸君がしっかりその順に表を埋めているかどうかチェックしてあげないといけません。

具体的には、

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の順で書きます。

「当たり前やんけ!」と思うかもしれませんが、これが結構

1→3→2

の順で書く生徒がいます。

1→2→3の順で書いても、1→3→2の順で書いても、同じ正解の増減表が完成するので「この増減表のy'の符号は、どうやって判断した?」

といちいち口頭尋問して確認します。

丁寧に教えるので、当塾の生徒の学力が上がるわけですね。

大学受験 相伝学舎 (清須校舎、桜山校舎)
http://www.sodeng.jp

なんとなく理系

高校生をみていると

・なんとなく理系

・男子だし理系

・勉強ができる人は理系

みたいな雰囲気で文理選択をしている人が多い印象があります。高校生まではなんとなくで人生の選択してもOK派の私でもさすがにちょっと・・・と思うのは、数学が全くできないのに「なんとなく理系」「男子だし理系」という選択をすることです。

数学ができないで理系の大学に進むのは自殺行為だし大学でひたすらつらいと思うので、「なんとなく理系」はやめて「なんとなく文系」へ、「男子だし理系」はやめて「男子でも文系」、としたほうが良いです。

高校生になって数学ができないとか勉強がたいして好きじゃないというのは、もうさすがに勉強の適性がなかったということであきらめて、文系の大学に進んでサークルやバイトでコミュニケーション能力や対人スキルをみがいていくほうが将来食べていけるでしょう。

会社勤め6年と自営業6年を経験した私がこれまで12年間世の中を見てきた結果、世の中のサービスというのは人間と人間が接するときに取引が成立します。塾で言えば極端な話、

ものすごく勉強ができる優秀な先生だが生徒や保護者とコミュニケーションがとれない

たいして勉強はできないが生徒をうまいこと乗せて保護者にもいい顔ができる

とだと、たぶん後者の塾のほうが繁盛します。

将来どうやって食べていくのか自分の適性を考えましょう。

当塾の生徒で数学が全くできないのに理系に行っちゃった人は、なんとか数学ができるように教えていきますが夢で青チャート例題を解くくらい数学漬けにならないとどうにもならないので気合い入れてやってください。

 

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予約電話の話

ゴールデンウィーク合宿は締め切りすぎましたがまだ空きがあるので参加希望の人はLINEください。

合宿期間中には晩ご飯をHotto Mottoなどに買い出しに行くんですが、予約の電話が結構面倒で

・メニューをひとつずつ言わないといけない

・名前を電話番号を言わないといけない

というハードルがあります。2つめなんかは当たり前じゃないかと思う人も多いと思うんですが、合宿期間中は何日も同じ時間に連続で注文するので、「もういいじゃん」って思います。

まあお店側からしたら、名前と番号を聞いておくことで注文するだけして取りに来ないという事故がないようにしていると思うので、公式の秩序ということでこれは受け入れるとします。

実際にはネット予約ができるようになったので、前回の合宿からはネットでポチポチ予約しています。

ところで、私が桜山校舎で授業をするときには徒歩2分のところにあるかまど屋というお弁当やさんで晩ご飯を買うんですが、ここの電話予約はすごくて

 

トゥルルルル ガチャ

店主「はい」

私「カツカレー1つください」

店主「分かりました」

ガチャッ

で、なんと電話予約が10秒で終わります。

名前すらきかれないので、電話予約がちょっとした体験になっています。

でも昔はきっとこんなもんだったのでしょう。

昔ってちょっとした用事なら玄関に鍵かけないで外出してませんでした?

他者との関係が広くなった一方希薄になってきているってことですね。

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体育ブッチや

あるスタッフ(名大医学部)との会話

 

私「今日、体育の授業で室内用の靴持って行くの忘れたのを大学についてから気づいて、体育館のある山の上まで登る元気がなくてサボっちゃったよ。家出る10秒前まで靴を手元に置いてたのに・・・」

 

スタ「あそこ登るのきついっすよねw 大学生なんて忘れ物してナンボなんでw」

 

スタッフの優しい言葉に救われました。

 

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公式の秩序と土着の秩序

一般教養で「国際開発学」(日下先生)を受講していまして、先生はフィリピンのスラムで1年間暮らしたフィールドワークの経験があります。国際開発というと、発展途上国支援という意味で使われることが多いですがこの講義では、豊かさとは何か見直そうという意味であるようです。

初回の授業は自己紹介で先生の大学時代の話から現在までの過程の紹介だったのですがそのなかで「公式の秩序と土着の秩序」というキーワードがありました。

公式の秩序とは、政府や会社、教育などの枠組みのなかで働く他者との関係のこと、少し抽象的にいうとトップダウンでの秩序のことで、土着の秩序というのはおそらく平たく言えば他者との信頼関係のことです。ピラミッド型組織と蜘蛛の巣型の違いにも近いのかもしれません。

国家が発達するにつれ公式の秩序が大きくなり、今の日本では公式の秩序が大きすぎるのではないか、もっとバランスをとるべきではないか、ということをおっしゃっていました。

これはその通りで、公式の秩序は過去に日本が経済成長してきたように高い効率性を実現します。一方で公式の秩序は個人の趣味や考えを無視して全体を優先するという考えなので、今の時代とはズレが生じています。平成の後半から令和にかけては「ありのままの世代」と私は勝手に呼んでいますが、みなさん自分を大事にしようとする傾向にあります。すると公式の秩序にたいしては日下先生のいうように「息苦しさ」が生じます。

しかし、だからといって土着の秩序を大規模に展開していくのは無理があります。土着の秩序というのは全体としての明文化されたルールではなくお互いの信頼関係に頼るものです。

たとえば塾では土着の秩序として「飲食可」としており自習室でも授業中でも飲食したければできるのですが、飲食可としても塾でたこ焼きパーティをする生徒はいないだろうという信頼をしているからこそできることです。でもこれを一つの校舎に数百人もいる河合塾で実現するのは難しいでしょう。

私の塾みたいな小規模のコミュニティで土着の秩序を実現するのは比較的容易なことだと思いますが、もっと大きな組織や国家規模で実現するのはGHQが設置されない限り無理でしょう。いや、GHQ設置されてしまったら思いっきり公式の秩序か・・・。

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