当塾では文系理系問わずに高1から数学を得意科目にすることを重要視しています。理系については言わずもがな、とくに物理を選択する生徒にとって数学が出来ないことは致命的です。では文系についてはどうでしょうか?
実は文系にすすみたい生徒こそ、数学を得意にすべきなんです。日本の高校生が文系、理系への進学を判断する基準は何でしょうか?多くの場合、「数学が得意かどうか」なんですよ。つまり文系には数学が苦手な人が集まっているのです。そして、意外なことに文系学部でも「英語・国語・数学」の3科目で受験できる大学は多いんです。
たとえば私大なら早慶上智の経済学部中心に数学受験可能です。
早稲田大学 政治経済学部、商学部
慶應義塾大学 経済学部
上智大学 総合人間科学部、法学部、経済学部
早稲田の政経については2021年度入試から数学IAを必須にしています。
https://www.waseda.jp/inst/admission/undergraduate/change/
国立大学になるとさすがに東大京大一橋などは二次試験で社会が必要ですが、旧帝大であっても
名古屋大学 教育学部、法学部、経済学部
東北大学 文学部、法学部、経済学部、教育学部
北海道大学 総合入試(文)、文学部、教育学部、法学部、経済学部
九州大学 教育学部、法学部、経済学部、
などでは二次試験で社会が不要です。というか英国数じゃないと受験できない学部も少なくありません。
慶應大学経済学部はA方式が数学受験、B方式が社会受験で、商学部はA方式が英語・社会・数学、B方式が英語・社会・小論文、となっています。
つまりA方式では数学を課して、Bでは課さないという違いです。
経済学部の2014年度の入試倍率はA方式3.9倍に対しB方式4.1倍、その前年が3.7倍/4.8倍です。
同じように商学部は2014年A方式2.3倍/B方式6.2倍、その前年は2.5倍/7.6倍です。
入試倍率の高さ=入試の難易度ではなく、あくまで問題の難易度と合格最低点で考えなければいけないのですが、数学の問題はそこまで難しくないので苦手意識がないのなら数学を選んだほうが合格可能性は高まるのでは無いかと私は思います。
実際に、当塾では愛知県最難関私大である南山大学を文系で受験する生徒のうち、数学受験者は過去100%どこかしらの学部に合格していますが、社会受験者は過去100%受かっていません。南山大は数学の問題が青チャートさえ解けるようになってしまえば満点狙いも十分可能なので、絶対に数学受験がおすすめです。しかも、南山大が第一志望なのであれば数学はIAIIBではなくIAIIまでで数B(ベクトル、数列)は不要になるので、さらに攻略が簡単になります。
まずは二次関数を克服せよ!
さて、一般的に文系受験生の多くが、高1の4月から「やばい数学が難しいぞ」と感じ、中間では平均点くらいなんとかとれたものの、期末テストでは平均点を下回り、2学期の中間の二次関数/三角比でボコボコになって涙目であることと思います。
そして、二次関数がボコボコのまま数学IIの三角関数や指数対数を学んだときに、解法のほとんどが二次関数の考え方であることに気づき、sinやlogの概念を理解したところで結局ボコボコのまま、という状況ではないでしょうか?
そう、高校数学の一番のキモは二次関数です。数学が苦手な文系受験生は、まず高1の二次関数の教科書を開きましょう。そこには、今まで見て見ぬ振りをしてきた判別式Dの作り方や、二次不等式の解き方が詳細に書かれています。教科書の内容を完璧に理解できれば、二次関数の分野の4割程度は終わったようなものです。
その次に、最大最小問題や絶対値を含んだ二次関数の問題など、教科書にはないが問題集に必ずある基本例題を片っ端からつぶしていきましょう。二次関数の集中治療は1ヶ月程度有れば可能です。焦らず、まずはこの分野を完璧に仕上げることです。
ノートを使うな!
ちょっとしたテクニックをお伝えします。数学の問題演習は全てコピー用紙にやりましょう。数学が苦手になる大きな要因の一つは「ノートもったいない問題」です。ノートに計算するとスペースを節約しようと、数字を小さく書いたり計算過程を省いたりしてしまいます。それがコピー用紙になればなくなり、計算ミスが減り数学の修得が速くなります。
コピー用紙はホームセンターに行けば必ず置いてあります。アマゾンでも500枚500円で販売していて翌日には届きますので買いましょう。amazonのコクヨのコピー用紙 はホームセンターで販売されている激安のものと比べて100円ほど高いのですが、その分書き味がなめらかでシャーペンの減りが少なく、かつ綺麗に書けます。2冊1000枚分もあれば4-5ヶ月は余裕で持つでしょう。
そして、使ったコピー用紙はどんどん捨てましょう。計算途中で消しゴムを使わないのもポイントです。消しゴムを使うと時間が勿体ないだけでなく、消した箇所にシャーペンのあとが残り計算しづらくなります。
はじめから青チャートを使え!
取り組む参考書はまずは教科書、その後青チャート(正式名称
チャート式基礎からの数学I+A ) です。青チャートは難しいと思っていませんか?たしかに章ごとにある入試演習に手をだせば難しいのですが、例題だけ取り組めば基礎をがっちり固められます。帯にかいてある「めざすならはじめからチャート式」のとおりです。
数学はセンターのみという人、地方国立志望という人は青チャートの例題だけで十分です。センター8割、国立二次も6割は狙えます。旧帝大や難関私大以上を狙う人は青チャートが終わったらもう一段階必要ですが、それでも大部分の基礎は青チャートでつくることがおすすめです。
数学を捨てた方がいい人
ただ、数学か社会かを迷っている生徒のうち「社会を選択したほうがよい」という生徒がいることも事実です。私が指導するとしたら、次の点を考慮します。
受験勉強開始時期が高2の夏以降か、以前か
文系数学のIAIIBを習得するには最低1年半は期間を要します。高2の夏以降に1から数学をやり直すとなると、時間的に相当キツいです。秋くらいからでもなんとか出来る生徒もいますが、数学が出来るようになる実感を持てるのが高3の12月くらいであり、そこまでずっと数学の偏差値が全統で50-55あたりをうろつくとなると、「果たして数学が出来るようになるだろうか」という不安に耐えられない可能性があります。
やる覚悟があるかないか
ということで、「なんとしても数学を得意にする!」という強い意志がないと、文系で数学が苦手な生徒が受験で数学を使い物にするのは困難です。現時点で「数学は捨てて日本史にしよう」と考えてしまっている人はそのまま日本史で進めてください。「文系だけど数学受験で大丈夫だよね?」と不安になっている人は、思い切って数学受験をしましょう。
このブログをみて数学にしようか社会にしようか考えている人は、ぜひ上の二点を自分で考えてみてください。
清須市の大学受験、塾 相伝学舎
http://www.sodeng.jp