月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

内職という行為そのものではなくその選択に本質がある

昨日の記事では内職を推奨しましたが、内職そのものに意味があるのではなく、本当に必要なやり方と必要な勉強を考えたら必然的に内職という行為に至るわけです。合格者の話を聞いたり、色々な合格体験記を読んだりするなかで、いくつか共通点というのがあるのですが、その一つが「自分で必要なことを判断して取り組む」というものです。

巷にあふれかえっている天動説という嘘ではなく、自分にとって本当に必要な勉強は何かという自分にとっての地動説を見つけることです。そして、人に言われて勉強するよりも自分で課題を見つけて取り組むほうが遥かに効果があり、尊い行為です。

これはもちろん、全ての勉強を自分で組み立てろというわけではありません。受験で必要な勉強というのはもう何十年も変わらない王道というものがあります。たとえば数学なら網羅系(青チャート)で基礎を固めた後、大学への数学(1対1や新スタ演)、入試の核心、過去問題といったコースは合格への最大公約数と言えます。これを一通り行ったあとで自分に必要なものは何か、たとえば整数を深めたいとか確率が弱いとか、そういう自分だけの課題が見つかるので、そこは自分で判断してやるべきということです。


とすると、補習や宿題が多いというこの辺の進学校(それが保護者ウケが良い)は、本当にあるべき姿でしょうか?そんなはずはありません。生徒には膨大な補習と宿題で学校にがんじがらめにして、教師からしてみたら生徒が自分の与えた勉強をたくさんやっている姿は非常に可愛い、そしてとても嬉しいのでしょう。教師も教師なら生徒も生徒で、与えられた課題を一通り1日2-3時間かけてやり終えたと思ったら学校に言われて夏休みもたくさん補習を受けて達成感と充実感を感じてしまっている側面があります。冷静に考えたらお互いが足をひっぱりあっている様子ですが、本人たちからしてみたら「何が悪いんだ」という感じでしょうか。

中学時代のトップクラスの優等生が3年間必死で勉強した結果、僻地のコッコウリツに進学するという悲惨な光景は、将来日本の頭脳として優秀に働くべき人材がつぶされているという風に見えます。

自分に負荷をかけるか、かけないか

もう一つ、やることを与えられる人と、自分で考える人の大きな違いは学力(偏差値)の上げ方です。つまり、日常の延長線上に結果を出すか、延長線上では得られないほどの高い学力を求めるかという違いです。たとえば中学生の多くは、まず自分の内申点を見てそこから届きそうな高校を2-3校から選んだことでしょう。これは自分に負荷のかからない延長線上から進路を選んでいることになります。一部の中学生は、自分の内申点にかかわらず本当に行きたい高校に合格するために内申点をどうにかして上げられないかと考えますが、それは「自分の学力に合った進路を選ぶ」ではなく「進路に学力を合わせる」ということです。大学受験でも同様に、学校でみんなと同じ勉強をしているのは自分に負荷のかからない延長線上の未来を得ることですが、本当に行きたい大学に必要な学力と勉強方法を考えて実行することは、「進路に学力を合わせる」という行為です。高い目標を持って、学校の勉強をするという矛盾した生徒は多いのですが、結局それは夢をみているだけで実行が伴っていません。

合格した先にあるものは

このような「やらされる」勉強で運良く第一志望に受かることももちろんあるでしょう。何から何まで指示された受験勉強を終えて進学した大学の、自由なカリキュラム構成そして学業だけでなくアルバイトも含め自由に使える時間の大海に出会ったときに、彼ら/彼女らはどういう反応をするでしょうか?

「やるべきことを教えてほしい」

 

ホラー物語ではありませんが(笑)、実際に、この手の話を聞くことは少なくありません。大学生のなかで自由すぎて困っている人、急にやる気がなくなってしまった人がいたら高校時代の勉強がどのようなものだったか、思い当たる節があるでしょう。

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