月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

予防

スタンフォード監獄実験というものをご存知でしょうか。普通の大学生を看守役と受刑者に分けて実際の監獄のように演じさせたら、看守役はより看守らしく、受刑者はより受刑者らしく振る舞ったという実験です。

スタンフォード監獄実験 - Wikipedia

私が営業で色々な会社を見た経験からも、人の性格というのは属する組織に影響されるという感覚がありました。金融は割と厳しい雰囲気、ITはフランク、メーカーはその中間、とかそういう感じです(相当ざっくりですが)。もちろん同じ業種でも会社によってカラーは異なります。

学生生活でいえば、厳しい部活で1-2年のときに下働きばかりさせられていたけど3年になったらいきなり1-2年をこき使うようになる、というのも同じような話です。そういうしきたりの組織で生活すれば、それに染まっていくということです。

ということで私が気をつけなければならないのは、この仕事は「先生」と言われるのであたかも自分が偉くなったかのような錯覚におちいることです。高校生から比べれば大学を出て、営業の仕事を6年続けた分色々な知識があるのは当然ですが、だからといって彼ら彼女らと比べて自分が崇高な人間かといえばそんなわけありません。

生徒や保護者のかたから「先生」と言われるのは、そう呼ぶのが自然だから良いんですが、モノを買う時に販売店の方から「先生」と呼ばれるのは違和感があるし気持ち悪さがあります。でも「先生」と呼びたくなる気持ちもわかるんです。前職で私が営業として学校の先生と打合せするとき、もちろん私からしたら先生でもなんでもないのですが、同じように出入りの業者はみな「先生」と呼んでいるのでとりあえず「先生」と呼ぶことにしていました。

もちろん、私のように塾を営んでいる人や学校の先生たちにとって、仕事で関わる人たちから「先生」と呼ばれることに違和感の無い人も居るかもしれません。しかし、私は気持ち悪くてしかたがない。「先生と呼ばないでください」と言いたいのですが、営業の人はどんどん話すのでなかなか言えなくてそのまま「先生」と呼ばれ続けてしまいます。

積極的に外の世界と交わらないと、勘違いしてしまうので気をつけます。