月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

【LINE Q&A】関西大学の英語空所補充が解けません -英文の論理構造を覚えた上で、推測の習慣をつけましょう

LINE勉強相談のコーナーです。田舎に住んでいて受験情報が届かない!まわりに相談できる人がいない!など、お困りのかたはLINEでご質問ください。今日の悩める高校生は・・・

ご質問
単語と文法は一通り覚えて過去問題を取り組んでいます。関西大学の英語で空所補充の問題があるのですが解けません。どう対策したら良いでしょうか?(大阪府、高校3年生より)

木村注:空所補充はこんな形式です(↓は日本語ですがそれが英語になったもの)
チンパンジーのトミーは牢屋のような小屋で飼育されていた。床はセメントで、小屋は恐ろしく寒い。私はこのトミーの(1  )状況をニュースで知って、怒り狂った。・・・
1 最初の 2 理想の 3 信頼できない 4 みじめな

私からの回答
この手の空所補充はかっこの前、もしくは後ろから推測する必要があります。対策は大きく2点。1つは、英文の論理展開のクセをよく理解すること。もう一つは、その上で推測する習慣をつけることです。推測力が高まれば、速読にもつながりますよ。

補足

英語の文章には論理展開があります。具体的には、主張→その補足→主張という形が多く、主張でそれを指示する理由のサンドイッチになっています。たとえば、こんな感じです。

幼少期から英語の勉強をするべきだ。理由は3つある。第一に、幼少期は記憶力が高いため暗記しやすい。第二に、幼少期に外国語を学ぶことで外国への好奇心が育てられる。第三に、英語の絵本を読むことで日本と英語圏の文化の違いを学ぶことができる。よって、幼少期から英語の勉強をするべきである。

ここに、理由を補足具体例譲歩(反論を想定する)する文が加わったりして説得力を高めます。たとえばこんな感じです。

幼少期から英語の勉強をするべきだ。理由は3つある。第一に、幼少期は記憶力が高いため暗記しやすい。単語や発音を覚えるような単調作業は4〜6歳が最も効率的だという研究がある(※)。第二に、幼少期に外国語を学ぶことで外国への好奇心が育てられる。未知の世界に触れる量が多いほど、将来にわたって好奇心の強い人間になるはずだ。第三に、英語の絵本を読むことで日本と英語圏の文化の違いを学ぶことができる。日本語では犬は「ワンワン」と鳴くが、英語では「バウワウ」になる。物事の見方は一つではないということだ。

日本文化の軽視そして衰退に繋がるという見方もあるかもしれないが、英語を学ぶことによってより日本の理解に繋がるとも考えられるはずだ。よって、幼少期から英語の勉強をするべきである。

※本当にあるかは知りません。 

これを問題にするとこうなります。

幼少期から英語の勉強をするべきだ。理由は3つある。第一に、幼少期は記憶力が高いため暗記しやすい。単語や発音を覚えるような単調作業は4〜6歳が最も(  1  )だという研究がある。第二に、幼少期に外国語を学ぶことで外国への(  2  )が育てられる。未知の世界に触れる量が多いほど、将来にわたって好奇心の強い人間になるはずだ。第三に、英語の絵本を読むことで日本と英語圏の文化の違いを学ぶことができる。日本語では犬は「ワンワン」と鳴くが、英語では「バウワウ」になる。物事の見方は一つではないということだ。

日本文化の軽視に繋がるという見方もあるかもしれないが、英語を学ぶことによってより日本の理解に繋がるとも考えられるはずだ。よって、幼少期から英語の勉強をするべきである。

(1)は、補足する英文ですから前から推測すれば良いのです。一方(2)は前から推測は出来ないのでそれを補足している後ろから推測することが出来ます。前から推測すれば良いか?後ろからか?というのは英語の論理構造のクセが分かっていれば結構簡単です。それだけで読む場所が1/2に減るのですから重要なテクニックです。

このように英語というのは論理構造が明快なので、実は極めて推測がしやすいのです。普段、模試・過去問題・参考書などで色々な英文を読む機会があると思いますが、そのときに「次に筆者が言うことはなんだろうか?」というのを予想してから次の段落や英文を読むようにしてください。慣れてくると、筆者の言いたいことが英文を読む前に読めてしまうくらいになりますよ。

ちなみにこれを練習するおすすめの参考書は〇〇ですが、英文を読むたびに構造理解と推測を習慣に出来れば、普段の勉強で頭の使い方を変えるだけでも十分です。巷ではパラグラフライティングといったジャンルのものです。こういうページが参考になるかもしれません。

【書籍】パラグラフ・ライティングを基礎から訓練!『論理が伝わる 世界標準の「書く技術」』 | Chem-Station (ケムステ)

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