月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

英語を日本語訳にする勉強は公立中学を卒業した受験生にとって必要

受験英語の批判で「英語は英語のまま理解すべきであり、和訳をいちいち求めることはよく無い」というものがよくありますが、私の授業は基本的に日本語訳を中心にして英文解釈力を上げるというものですから、これとは一見反対の立場のように見えます。

これについて説明したいと思います。

この手の批判をする人の多くは高学歴でおそらく学生時代に英語の勉強は多読中心だったんじゃないかなと想像できるのですが、多読中心で英語力を上げられる人というのはある程度英文解釈の力がある人に限られます。解釈する力がないと、間違った読み方で多読することになり、結果として難解な大学入試は解けるようになりません。

高学歴ということは大学入試が解けたということですから、英語が出来たということになり、こういう批判をするということは原文の多読中心で学ばれてきたひとだと想像できます。

こういう人からみればとくに日本の高校でよく見られる「はい〇〇さん教科書52ページの10行目から12行目を訳してください」という風景がまったくもってdoesn't make senseであるわけで、これについては私も同感です。教科書で見るようなそこそこ英文が長く、単語も難しいものをその場であてられて答えられるわけがありません。それが出来たら大学合格であり、それが出来ないから授業を受けるわけです。

で先生も先生で、「それは正しい」とか「正しくない」とか、「正しくはこういう訳になる」というごまかしで終わるのではなくて、ちゃんと解釈のやりかたを教えてくれれば良いんですが、残念ながらそういう教え方をする人というのは見たことがありませんし、おそらく教える英語力はありません。

英語で大切なのは、なぜそう解釈できるかというロジックを学ぶことです。私の授業では、まずロジックを説明した上で、和訳やSVOCの分析をさせます。その上で、解釈が間違えていればロジックに基づいて説明します。ですから、これをつづけて解釈のロジックを暗記し終えれば、どんな英文に出会っても正しく読める力がつくのです。

というわけで、私が日本語訳が必要だと考えているのと、よく「英語はそのまま理解すべきだ」という人の主張は実は同居可能です。

つまり、英語を正しく読むまでのフェーズにおいて(だいたい偏差値40〜60)は、日本語訳を中心にして解釈のロジック暗記につとめるべきです。その後、速読のフェーズにおいて(60〜70)は、解釈のロジックをカラダにしみこませ、無意識で出来るようになるまで速読をトレーニングすることで、最終的に「英語を英語のまま理解する」というゴールにたどり着けます。

f:id:sodeng:20151021175752p:plain

表題で「公立中学を卒業した受験生にとって」と書いたのは、公立中学を卒業したくらいだと大学受験レベルで必要な英文解釈のルールのうち、ほんのわずかしか身についていません。一方、公立高校の英語教育というのは批判されているとおりrubbishです。私立中高一貫がどんな英語教育になっているかわかりませんが、名門の一貫校に合格できるような生徒はひょっとしたらこのルールを自然と身につけられる能力があるかもしれないので、ここでは言及しません。

偏差値40-60程度の生徒で、多読中心の勉強をしている人は要注意です。

余談ですが、ただ外国人と会話するだけなら従属節と第1、2、3文型とその疑問文だけ覚えればまったく問題がなく(SVOOやSVOCなんて不要!)、難しい関係代名詞なんて必要ありませんし、はっきりいって時制や単複なんて適当でOKです。たとえば、「昨日彼が図書館にいったよ」という英文は「He go to library yesterday」とでも言っておけばなんとなく伝わります。過去、中国人や英語圏の人とskypeや国際電話でやりとりして色々個人輸入をした経験があるんですが、なんとかなります。英語学習というのはリーディングを完璧にして、スピーキングはノリとボディーランゲージでOKというのが大多数の日本人にとっては十分です。

清須市の大学受験 相伝学舎
http://www.sodeng.jp