月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

「授業で扱った英文を暗記したほうがよい」は半分本当。半分嘘。

英語が出来ないという生徒に「授業の英文を暗記せよ」というアドバイスがあるらしい。英文を暗記した方が良いのは、本当か嘘か?

答えは半分本当で、半分嘘です。

そのアドバイスにたいして、ある生徒は「同じ英文を見ることなんて無いのだからムダ」と思い暗記しなかったそうです。

これも半分正解で、半分間違い。

ではどういう時に暗記したほうが良いのでしょうか?どういう時にしないほうが良いのでしょうか?

考え方の基準は、その授業で「英文解釈の理由」を説明しているかどうかです。良いですか、「解釈」ではなくて「解釈の理由」です。たとえば、

The letters to be answered are put in a  folder. 

なんて文が出てきたとします。その先生が

「to be answeredは形容詞用法で主語は『答えられるべき手紙』となる」

としか説明してなければ、英文を暗記する必要はないしそもそも授業を聞く価値すらありません。そんな英語が時間割にあるのなら今すぐ内職をしましょう。

聞く価値がある説明というのは、たとえば

「The lettersとto be answeredの間にはThe letters are answeredの主述関係があるから、『答えられるべき手紙』となる」

と説明していれば、それは英文解釈の理由になるので価値があります。こういう説明のされた英文なら、それを丸暗記する仮定で英文解釈のルールを覚えることが出来るんです。ルールを暗記出来れば、あとは初見の文章でも適用してあげれば良いだけです。

大切なのは事実ではなくて理由です。

・・・

「to-の名詞用法だ」

「howが名詞節を作っている」

「このThinkingは分詞構文だ」

というのは事実かもしれませんが、それを覚えたとしても同じ英文を試験場で見ることがないかぎり、そんな説明は意味がありません。そうなる理由を生徒に考えさせるというのもおかしな話です。それは教える側の仕事です。

世の中の高校生が英文を読めるようにならないのは公立高校の英語が事実を教えるだけだからです。

こんな授業に対して、予習復習をちゃんとしましょうなんて良く言えるものです。だから私は公立高校の英語の授業が嫌いなのです。

 

f:id:sodeng:20151024191825p:plain 怒る私

清須市の大学受験 相伝学舎
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