月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

親の世代の意見は無視せよ。本を読め。

高校3年生なら今の時期どこの大学を受けようとか、高校1年生なら文理のどちらに進もうとか考えることがあると思います。自分で考えているなかで、家族の食卓で話題になったり学校の面談で話題になったりすることで親や先生、もしくは友人たちから意見を言われた場合どう考えるべきでしょうか。

私は基本的には親の意見、というかひと世代離れた人の意見というのは多くの場合聞くに値しないと考えています。もうちょっと適切に言うと可食部が少ないというか、参考になることが少ないんです。

時代が異なるので参考にならない

f:id:sodeng:20151127145907j:plain

まず、そもそも生きている時代が違います。たとえば今の70歳とか80歳くらいの世代の人に「就職先はどういうところがいいかな?」と相談すれば「そりゃーおまえ、繊維業界だろうよ」と言われるかもしれませんが、それはあなたの世代では良かったかもしれないが今ではすっかり斜陽だよっていう話だし、それが50-60歳くらいであれば「メーカーか公務員になっとけ!」となり30-40歳くらいの人なら「やっぱりITでしょ!」であり、今の20代くらいなら「モバイルスマホさっ」となります。

が、それはその人たちの世代の話でこれまで数十年間の話ですから、この先数十年間同じように繊維、メーカー、IT業界が栄えるかといえばそんなわけはなく、次はまた別の業界が盛り上がるのです。今で言えばウェアラブルとかIoTとかそんなキーワードがありますね。今後どうなっていくかは、若い人のほうが見通しが良いものです。自分で考えましょう。

就職だけでなく、考え方も違うので同じ日本人でも昭和初期日本なのか昭和末期日本なのか平成日本なのかで別人種と考えられます。戦後の人なら「モノは大事にせよ」だし高度経済成長の人なら「じゃんじゃん買おうぜ!」だし平成なら「まあなんでもいいんじゃん」でしょう。

その人の意見というのは、その人自身の意見ではなくその人が生きた時代を踏まえた意見だと考えるべきです。そうすれば、「ああこの人はきっとこういう体験をしたからこんな見方をするのだ」と思えます。「みかんは本当に美味しい」という言葉を、戦争から帰還した人が言うのか、みかん農家が言うのか、給食で食べた子供が言うのか、みかんソムリエみたいな人が言うのか、主婦が言うのか、全く違って聞こえますよね。

f:id:sodeng:20151127150049p:plain

意見というか思い込みでは?

次に、多くの大人たちは成功もしていないし、失敗もしていない、というかそもそも挑戦すらしていない平均的な人たちです。そういう人たちの意見は傾聴に値するでしょうか?クラスで勉強も部活も普通の人が偉そうに意見していても誰も聞かないですよね。というか前述のとおり時代に流されて漂着してきたような人たちの発する言葉というのは意見ではなく思い込みです。

たとえば親や先生が一世代で起業して何百人を雇用する社長になったとかそういう類いのチャレンジをした人であれば、よく意見を聞くべきです。大多数の人が自分の意見のようなただの世相代表であるのに対して、自分で考え行動する人の意見はある程度考え抜かれたものであり、より普遍性を増します。普遍性があれば次の世代でも同じように通用する可能性が高まります。

参考になる人が身近にいない場合は本を読め!!

もっとも、こういうすごい人が身近に居るケースはまれですが、そういう人が居ないから独断で決める、というのはおすすめできません。「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」という言葉はご存知でしょうか。失敗がわかりきっているようなことをわざわざ体験して学ぶやつはアホで、賢いなら過去の歴史を勉強することで良い選択をしろということです。

本屋にいって歴史の本をたくさん買いましょう。モノや情報、そして色々な技術があふれている現代よりも、何も無い時代のほうが思考力にすぐれた人が際立って見えるように思われます。一番とっつきやすいのは室町時代(信長がどんぱちやってた時代)ですが、項羽と劉邦や三国志の方面で勉強しても収穫はあるでしょう。私はこういう意図で室町時代を勉強しまくっていたら、鳥居強右衛門の話にであって、「これだ!」となりました。「人は大義名分のあるときにもっとも動機づけられる」ということを学んだわけですが、そんなことは親も先生も絶対に知りません。

以上のとおり、親や先生の意見は無視して歴史に学べばより良い選択ができるものですが、とはいっても特に高校生くらいだとまだ大学の学費を出してもらわなければならなかったりと親のすねをかじる必要がある場合もあるでしょう。そういうときは、一応意見を参考にするフリをするだけして、面従腹背の精神でいきましょう。正面衝突ばかりしていたら一番体力を使いたい場面で体力が残っていないなんてことがありえます。

清須市民的には信長公記(しんちょうこうき)あたりから始めてみてはいかがでしょうか。信長の側近が書いた、今で言う「月刊太田牛一:信長様大好きブログ」みたいなもんなので、わりと読みやすくて面白いですよ。

現代語訳 信長公記 (新人物文庫)

現代語訳 信長公記 (新人物文庫)

 

 

清須市の大学受験 相伝学舎
http://www.sodeng.jp