月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

愛知県民の保守的な傾向は地理的なもの

たしかに愛知県民は保守的だという意見はたまに耳にしますが、その通りだと仮定した場合に、「トヨタのせい」と言い切ってしまうのは論議を誘う呼び水でしょうけども、たしかに一部自動車産業の影響はあると思います。

製造業というのは製造ラインを無駄なく効率的に運用することが競争力につながり、それを実現するためには革新的な従業員よりも保守的で忠実な従業員が必要なことは明らかです。カイゼンというのはあくまでその範囲での話でしょう。公立中学校で先生に従順になり、スパルタ高校でさらに3年間延長で従順になり、同じような背景の友人と大学生活を過ごせば文句なしでしょう。

こういう産業界からの要請による影響や、もしくはそういう大人たちが多い土地であるから子供たちが影響を受けるということがありえます。

保守的、内向的になる要因は私の考えではあと2点、大まかにいえば1点あります。

それは地理的要因です。

愛知県というのは名古屋という中心に不便では無い程度に色々なものがあつまっています。東北の奥地や岐阜の山奥に住んでいては若い人にとっては刺激が足りないかもしれませんが、愛知県に住んでいれば車で1時間の範囲で不足のない活動をすることができます。わざわざ東京に出ていかなくても名古屋で十分、と思わせてしまう中途半端さがあるのです。さらに、東京ほど街の規模が大きくないので名古屋中心地でもなぜか居心地のよさがあるという面白い土地です。一方で、県外に目をむければ同じように車で1-2時間も走れば色々な旅行も楽しめるという交通の便の良さがあります。

もう一つが、大学の所在です。愛知県の周辺には目指したくなるようなレベルの大学が名古屋大学しかありません。関東圏なら東大、一橋、早慶など色々な選択肢があるし国立志望なら北海道に行こうが、九州に行こうが、その手前の名古屋だろうが同じようなものですから選択肢が多岐にわたります。しかし愛知県にいると、東大京大は無理として北大、東北大、九州大にいくなら名古屋大学目指せばいーじゃんという話になるし、そもそも早慶など東京の私立は情報が入ってこないから目指す人がいません。旧帝大に届かない学生は、名市大や名工大、もしくは三重岐阜静岡(+福井富山)に入れれば満足みたいな風潮があり、このようにして高校生の多くが東海圏に残留し、4年後愛知県に戻って就活をします。

高校→大学で愛知県を出なければその後の人生で愛知県を出ることは無くなります。愛知県で就職するのは全国区の大企業のエリア採用か、愛知県本社の会社ですから。

こうして愛知県民の県内完結生活がかためられていきます。

私の塾では東京進出を推奨していますので、そういったフロンティア精神(言い過ぎ?)のある高校生はぜひ門を叩いて下さい。逆に、愛知県外にご子息ご息女が出て行ってほしくないという保護者のかたはこのブログをそっと閉じて、相伝学舎という名前を忘れてください。

清須市の大学受験 相伝学舎
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