月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

エネルギー保存しない法則

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物理で勉強する法則でエネルギー保存則というものがあります。高校の物理でも習うし、中学の物理でも「運動エネルギー、位置エネルギー」を勉強する、あれです。

mというのは物質の質量で、vは速度、gは重力加速度でhが高さですから、↑の式の意味は

「速くなるほど、もしくは高くなるほどエネルギーが増加する」

ということです。

身近なところでいうと公園にブランコがありますね。ブランコをこぐと横から見て振り子のようになりますが、最も高い点では速さv=0であるので運動エネルギー1/2mv^2はゼロになりますが高さが最高点になるのでmghが高くなります。一方で、一番低い点においては高さh=0となり位置エネルギーmghがゼロになるのにたいして速さvが最高になるので1/2mv^2が高くなるのです。

エネルギー保存則というのは何度かブランコをこいだ後でその後なにも外から力を加えないと、E=一定で1/2mv^2とmghがそれぞれ高くなったり低くなったりするということです。(実際には空気抵抗が外力となりEがだんだん減ります)。

さて、人間の活動でこれと同じようなものがないか考えてみます。

昨日の記事で、刺激をうけるために何らかの行動をすべしと書いたのですが、何かの行動をするというのは↑の式でいうvに数値を代入するということと似ています。行動力のある人はそれだけvが大きく、エネルギーをもっています。一方で、ずっと自宅にいる人がエネルギーを持っているとは言えないでしょう。

行動すればするほど運動エネルギーが大きくなるということです。

では、位置エネルギーは何でしょうか?

ブランコの例でいえば運動エネルギーは位置エネルギーに変換されますが、行動することが何に変換されるでしょうか?・・・経験とか知識ですよね。

行動すればするほど、知識というエネルギーへと変換されていきます。これを行動エネルギー、知識エネルギーと呼ぶことにします。

知識エネルギーのおもしろいところは使うと消える位置エネルギーと異なり、増えることはあっても減ることはありません。経験や知識は一度手に入れたらボケないかぎり消えることがないからです。

さらに、知識エネルギーを応用した行動をすると運動量を増加させる効果があります。知識がある人が行動するのと、何もないひとが行動するのではまったく別物だからです。

勉強でいえば、行動エネルギーというのは勉強することで蓄えられるものであり知識エネルギーは学力のことです。勉強すればするほど学力があがり、学力があがれば勉強の効率や難易度が上がるため、学力の高い人が1時間で得ることを学力の低い人が得ようとしたら3時間も4時間もかかります。

学力の低いひとが「ビリギャルみたいに逆転したい!」となったら永遠とも思える勉強量vが必要です。知識エネルギーは勉強することでしか蓄えられないからです。

しかし多くの人間はそういう地道な努力を避けたがります。有名予備校講師のおもしろい授業を聞いて分かった気になったり、本屋の参考書コーナーで見栄えのよい参考書を買って満足したり、2chの受験板で時間をつぶしてみたり。

物理の問題では位置エネルギーが高さHなどで与えられていることがありますが、勉強においては位置エネルギー=知識エネルギーは生まれた瞬間に等しく0です。生まれてからは行動エネルギーから知識エネルギーにこつこつ変換していくしかありません。

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