月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

休暇中の出来事③

横浜にある大学にいって、世田谷区の歯科医院にいった後は代官山へ散髪にいきました。ここも大学時代から一貫して通っているのでもう12年になります。私は普段近所で散髪するときには安くて短く切ってくれさえすればよいと思っているのですが、ここで切ってもらうと普段とは違ってとてもスッキリします。税込6000円という値段は決して安くはありませんが、得られる効用を考えればサービスというのは値段で勝負するのではなく内容で勝負しなければならないなと考えさせられます。

私が塾の料金を決めたときにはある程度相場を調べたうえで値付けしましたが、個人でやってるからといって安くすることは考えなかったし、塾を開いてからも値引きをして集客することは考えたことがありません。

料金が高いか安いかは私が判断することではなくて支払う側が判断することです。私のなかでは自信のあるものを提供していますから、今の料金は内容からすれば破格値だと考えています。とはいえ、この料金にたいして安いと思っている人もいれば高いと思っている人もいるでしょう。しかし私ができることといえば、今後も料金以上のことを提供しつづけるよう頑張るだけです。

値引きをする塾は少なくありません。私は新規客にたいする値引きというのは既存客、塾でいえば既存の生徒にたいする不誠実にあたるのではないかと思います。たとえば入塾初月の月謝を無料にするとか夏期講習を体験授業として半額にするとか色々と値引きのやりかたは考えられますが、その期間私は既存の生徒の月謝で生活して塾を運営するわけですから、既存の生徒の月謝で新しい生徒へサービスすることになります。しかし私にとって大切なのは入塾するかわからない体験中の生徒か、何ヶ月も前から通ってくれている昔からの生徒かといえば、後者なのは明らかです。私はつねに、月謝をすでに払って通ってくれている生徒にたいしてサービスをすると決めています。

どんなに経営にこまっても値引きだけはしたくありません。値引きというのは他のサービス提供者と比較して似たようなものしか提供できない状況である証拠です。せっかく人間として生まれたなら他人にまねされない自分の強みを磨いて社会に還元していきたいものです。それが出来なくなって値引き以外に集客する手段がなくなってしまうとしたら、それは「生まれた意味あんの?」という社会からのメッセージだからとっとと店じまいしてしまうでしょう。