月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

入塾者数を制限している理由

5-6月と入塾者数を制限しており現在は募集停止中です。

開校1年で満員御礼かというとそういうわけではなくて、座席的には各学年ともあと何人かは入れます。集団指導なら教室の収容人数=塾の受け入れ可能人数なのではないか?と思う人もいるかもしれませんが、そうではありません。

授業の形式は集団指導ですが、相伝学舎で教えているのは授業内容だけではなくて受験当日までの時間配分や勉強計画など総合的なものです。ですから、生徒が一人増えるごとに教室の机と椅子の空きスペースが減るのと同時に、私の脳みそのスペースがその生徒の分だけ減ります。

私の仕事は塾の授業が中心ですが、授業後も帰宅後から寝るまでの間、生徒一人一人思い出して次にどんなアドバイスをするべきか、もしくはしないべきかを考えるようにしています。

3-4月は予想以上に生徒が増えて少しびびってしまったので5-6月は入塾者を制限して3-4月に来てくれた生徒のことを多めに考えることにしました。入塾直後は勉強のリズムが固まるまで不安定な時期だからです。

私がしばしば入塾面談で生徒の覚悟を聞くのは、入塾後に生徒の勉強以外のことで悩みたくないからです。私の仕事は「単に」勉強をさせることではなく「効率良く」勉強させることです。自分に厳しくして大学受験に最低限必要な勉強を取り組むというのは、生徒の問題であって塾が手助けすべき問題とは考えていません。しかし、仮にそういう生徒がいたとしたら私の場合結構まじめに悩んでしまうのです。どうしたら勉強時間を確保してくれるのか?という点についてです。

結局、他人の考えを変えることはできないから、そういう生徒は月謝だけもらって放置しておけば良いという見方もあるかもしれませんが、月謝をもらって生徒の学力が伸びずに生徒本人もその保護者も不満がたまるというのは嫌です。それならそもそも塾の生徒にならずに、月謝を払わない変わりに私にたいして不満を持たないほうを選びたいのです。面談で少々キツいことを言われて返されたら嫌な気持ちになるかもしれませんが、金を払う前ならまだマシだろうと思っています。

しかし一度入塾してもらうと、「退塾して下さい」ということはなかなか言いづらいので、やめてもらう前にどうにかして改善できないかというのを考えることになります。一方やる気のない生徒というのは他人が何を言ってもやる気がないからやる気の無い生徒と化しているのであることを考慮すれば、改善策はいくら考えて伝えても改善されることはなく、たんなる悩みの種となります。

そうなると他の生徒のことを考える時間が少なくなってしまって、全体に影響を及ぼしかねません。塾のサービスは私一人で提供しているので、私のパフォーマンスが下がった分だれかに補ってもらうということもできません。常に一定の出力で働き続ける継続性が個人塾の場合は極めて重要です。

入塾者制限もせず、面談でもわざわざ覚悟があるのか聞くこともしなければたぶんあと10人くらいは生徒数が増えていることでしょう。しかしちょっとした利益を優先してサービスの質を下げるのは私の美学に反するのでそうしませんでした。

今は仕事にだいぶ余裕があるのですが、体験入塾の内容を今年度どうするか決めかねているので募集再開していません。

清須市の大学受験 相伝学舎
http://www.sodeng.jp