月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

多読用の参考書が必要ですか?

ある生徒が「学校の先生が、『入試は初見の英語を読むのだから、初見の英語をよむための勉強をしたほうがよい』と言って、参考書を紹介してくれたのですが、必要ですか?」と質問してきました。

「不要」と答えました。

「初見の英語を読む練習をしろ」というのは、「多読をしろ」という勉強方法で、生徒によっては意味があるのですが、その質問をした生徒には意味がないと思い「不要」と答えることにしました。

英語の多読が効果をもたらすには英文構造をかなり高い精度で見分けられる能力が必要です。SVOC関係や動名詞、to不定詞など様々な文法事項を100%近く理解して、かつ100%に近い精度で初見の文章で応用できるのであれば、多読すべきです。多読すればするほど、英文解釈が無意識に出来るようになるので読解の速度が異常なほど速くなります。日本語を読むのと、英語を読むのとほとんど大差ないところまで英語力を高めることができます。しかしこのレベルに達する高校生は、難関国立大志望者でも公立高校生なら秋以降がやっとであり、それどころか地方国立や私大志望者のほとんどはそのレベルに生涯達しません。

英文解釈の精度が低いまま多読をしたら、語彙は上がるかもしれません。しかし、それをやるくらいなら、ちゃんとした解説のついた解釈用の参考書に取り組むか、センターの大問2-3で落とさないようにコツコツ文法問題を暗記していったほうが得点に結びつきます。

世の中にあふれる「英語はこうやって勉強しろ!」というのは、勉強しないよりはマシだろうが効率が悪すぎる、というものがあまりに多いです。

清須市の大学受験 相伝学舎
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