月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

高校生に入って英語が苦手になった、偏差値があがらない理由とその対策

たびたびblogで説明しているとおり、中学生の英語と高校生の英語は別物です。中学生時代に成績が5であっても高校になって全統の偏差値が50に満たない、進研で55に満たない、ということは珍しいことではありません。

入塾段階で生徒の英語力は大きくわけて2パターンあります。1つめは「高校になってほとんど知識を身につけていない」これは高校の英語の教科書だけ勉強しているような生徒です。2つめは「それなりに暗記はしているが読めない」これは高校の指導どおり文法も単語も暗記しているが、読解に結びついていないというものです。

高校の英語とは英文解釈の能力が一番重要で、文法は優先度が下がります。英文解釈が木の幹で、文法や単語は葉や実のイメージです。

それで、塾にくる生徒の2パターンというのはそれぞれ

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何も覚えていない生徒↑ (何も無い)

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文法と単語はそれなりに覚えている生徒↑(葉と実だけ)

こんなイメージです。

土しかない生徒は、まずは木の幹をつくらないと話にならないので、私が英語を教えるときには最優先で木の幹=英文解釈を勉強させます。初学者用の参考書を終わらすのに一周1ヶ月、二周2ヶ月程度ですが覚えては忘れ・・・を繰り返すので塾の授業と合わせても半年から一年程度、それなりの幹が育つまでに時間がかかります。

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ニョキニョキ

これにプラス半年くらいで文法と単語を詰め込みまくって、木が完成です。

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一方、ある程度文法も単語も覚えている生徒は、英文解釈を勉強するだけでわりと早期に結果がでます。塾の生徒でも7〜8人に一人くらい、2-3ヶ月の勉強で読解力をつける生徒がいます。

「学校のキツい宿題とテストに耐えて頑張っているのに模試がボロクソで激おこ!」という人は本屋の英文解釈コーナーで参考書を買って勉強してみると良いですよ。

「解釈とはなんぞや」という人に説明します。↓の英文をみてSV関係がわかりますか?

The finding that the human brain has been getting smaller over our recent evolution runs counter to the generally held view that bigger brains equal more intelligence, and that we are smarter than our prehistoric ancestors.

英文解釈とは

The findingが文頭の名詞だから主語、直後のthatは関係代名詞か同格接続詞だがthat節がSVCで完結しているので同格接続詞、that節はour recent evolutionで一息つくのでrunsが動詞、runs counter to-で「-に反対する」generallyは副詞でheldにかかり、heldは過去分詞でviewにかかり、viewの直後のthatは関係代名詞か同格接続詞だがthat節がSVOで完結しているので同格接続詞、intelligence, andのandは等位接続詞で直後にthatがあるからこれも同格接続詞のthatでviewにかかる、・・・

という頭の働かせ方、文法の適用のしかたです。文法というのは英文のなかで有機的に結びついているので、その結びつきの仕組みを読み解かなければいけません。

多くの高校生が必死に暗記している文法は言うなれば「死んだ」文法であり、覚えまくっても文法問題しか解けるようにならず読解力はつきません。その「死んだ」文法を実際のナマの英文に適用する「生きた」文法の使い方を学ぶことが大切です。

私の高校時代の授業なんてとっくに忘れているどころか授業なんて聞いていなかったし、今の高校生たちの受けている授業もどんなものかしりませんが、たぶんこんな様子じゃないでしょうか?

The finding that-「-という発見は」が主語でぇ〜、動詞はrunsでぇ〜、the generally held viewは「一般的にもたれる見方」でぇ〜、the view that-「-という見方」だからぁ〜訳はこんな感じぃ〜

人間の脳が私たちの最近の進化の過程で小さくなってきているという発見は、脳が大きいほど知的であり、私たちは先史の祖先よりも賢いという一般的にもたれる視点と相反する。

 これは「なぜそう解釈できるか?」という疑問に答えていないので、結局「死んだ」英文解釈です。悩める高校生のみなさん、正しい勉強でback to lifeしてください!

 

(え・ぶん きむらりょうた)

清須市の大学受験 相伝学舎
http://www.sodeng.jp