月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

なぜ高校は生徒の時間を奪うことに熱心なのか 1

大学受験生にとって時間はとてもとてもとても大事なものだと、私は思います。高校生たちがどう思っているか知りませんが、私は塾生のもつ時間がとても貴重で価値あるもので、買えるものなら買ってやりたい、それくらいに思っています。

アホ古典教師が理系の生徒にしばしば現代語訳の予習(まじめにやると1時間かかる)を与えますが、いろんな高校にこの種の教師がいるおかげで、私の塾には古典の教科書ガイドが6冊もあります。

理系の古文以外にも、生物・化学基礎、数学、英語、色々な科目で生徒に予習をさせるのが大好きな教師が生息しており、その手の教師は「生徒に解答集を与えない」という性癖をもっているのが特徴で、そのうえ教材屋もグルなので解答集が書店では買えないようになっています。

私はそういう自己満クソ教師にたいしては激おこなので、あらゆる経路をつかって非売品解答集を手に入れます。定価の5〜10倍くらいの値付けになっていることはザラですが、たかだか数千円で生徒の時間を買えると思うとこれが一冊1万円でも高くはありません。

冒頭で、生徒の時間を買えるのなら買ってやりたいと書きましたが、実際に年間数万円分は生徒の時間を買うための出費をしています。かりに解答集を買うのに5000円かかったとしても、非効率的で無駄な予習時間が1時間から5分に圧縮されれば55分をゲットできます。この55分で5000円はペイしてしまって、2回目以降は全て利益の丸儲けです。それくらい生徒の時間というのは貴重で高価なものです。

もちろん、ひたすら生徒に宿題を与え続けて、テストの追試をやりまくればある程度の学力向上は望めるでしょう。だから、この記事はもともと依存体質の生徒が「そこそこの大学でいいや」と思っている場合には無視して欲しいのですが、一方で「自分の限界に挑戦したい」と思っている人にとっては、じっくり考えてもらいたいです。

自分の現在の実力より1ランクも2ランクも上の大学を目指そうとしたら、他人に言われたことをやるのではなく自分に何が足りないかをつねに客観的に判断し実行していくことが必要です。志望校が異なれば受験科目と配点が異なるし、受験科目と配点が異なれば優先して取り組むべき科目も変わってきます。さらにつっこんでみてみると、入試問題の傾向によって身につけるべき学力も変わります。

もちろん、自分の現在の学力によって英語が優先なのか数学なのか、それとも理科なのか社会なのか、100人いれば100通りまでとはいかないまでも10とか20通りは優先課題が異なってくるし、直前期になればそれがやはり100通りになります。

直前期に100人100通りの勉強方法が必要になることを考えれば、高校3年間をかけてその直前期のための判断力を養うことが必要であることは明らかです。それまでずっと、宿題や追試漬けになっていた人間が直前になっていきなりまともな判断が出来るはずがありません。 とすると、生徒を宿題や追試漬けにすることで生徒の時間だけでなく、判断力を成長させる機会も奪っているといえます。

高1の4月で、はりきり系の高校は

「うちの高校では塾や予備校は不要!すべて学校が予習復習そのほかのやることを指示します!」

という案内文をしばしばプリントに掲載しますが、・・・(続く)

清須市の大学受験 相伝学舎
http://www.sodeng.jp