月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

最初からチャートやれ

たしかに先生の言い分の通りで、チャートをみれば傍用問題集の類題はほとんど掲載されています。しかし数学を学び始めたばかりの生徒がすぐに類題を見つけられるかは疑問であるし、めでたく類題を見つけられても、そもそも青チャートレベルの問題を自習で理解していける生徒は極めてまれです。

私の感覚では、青チャートの解答を読んで理解できるのは一宮高校の上位80人くらい、五条西春で上位10人くらい、新川で上位1人くらいです。この人たちだって、解答の実際の意味を理解しているかというと極めてあやしい。たとえば、この問題とか。

そこで判別式使う?っていう問題(青チャート例題115)

傍用問題集と比べれば青チャートは指針がある分解答が親切です。しかしそこは数研出版。解答が端的とはいえないし、高校生が納得しがたいポイントの説明を結構省略した解答になっています。私はもう何十回も解いているので、背景知識がある分だけ行間の意味まで十分見通すことができますが、高校生には無理。

このように、いくつもハードルがある「解答集なしの教科書傍用問題集の演習」ですが、私の生徒は申し出てくれれば解答集を秘密の極秘ルート(学校専売品なのであやしげな中国人に手数料を払って買う)を用いて塾で買うのでそれである程度解決します。では解答集が手に入らない生徒はどうしたらよいか。

それは、傍用問題集をやるまえにチャート式をやることです。高校の数学の解法は、素人が思いつけるものではないので、模範解答をどんどん知って覚えていけば良いものです。それが、解答集なしの傍用問題集演習だと、答えの数字しかないのでできません。しかし、チャート式ならある程度模範解答が細かく書かれています。がんばってそれを読んで理解して、4〜5回も繰り返し解いてみれば定着します。で、定着したら傍用問題集をやるもよし、やらないもよし。高校の数学は速さを競うものではないので、別に数字が違う問題をたくさん解く必要はないんですよ。中学時代は塾でもらった一ページに何十問もある問題集を解いていたかもしれないですけど、その感覚は捨てるべき。

数字の違う問題を解くより、まったく同じ問題を何回もといて題意と解法の意味をよく咀嚼するほうが勉強になります。2回目と3回目、3回目と4回目、・・・と回を追うごとに頭の働きかたが変わることに気づくと思いますよ。なので巷に流布している「傍用問題集で基礎を身につけてから青チャート」という認識、これは誤りだと言いたい。最初から最後まで青チャートでよろしい。(なので週末課題とかいってしょうもない数学のプリントを渡すのもやめてほしい。うちの生徒はあんなくだらないプリントをまじめにやっていないことを願う)

今も全国で何万人もの高校生が「この問題集、解説が無いからわかんねーよ」といって数学に苦しみ、数学が嫌いになり、文系に進んでいく・・・

まあ考え方によってはそういう事情があるから、私みたいな塾の仕事が成り立つのであって、ありがてぇ。やっぱりお上は民業圧迫しませんわ。

清須市の大学受験 相伝学舎
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