月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

ある日の面談の様子

最近入塾の面談が何件か連続しました。現在の学力は模試結果等で聞かせてもらいますが、それと同じくらい大事なのは志望校がどこかということです。私はどの大学を目指すにせよ、その大学に合格するために必要な学力を身につけるにはどうしたらいいかという観点で、話をします。

そこで必要なのが志望校の受験科目と配点を確認することです。私大は多くの場合、文系は英国+1科目、理系は英数+1科目が受験科目であるので、そこまで注意する必要はないのですが国立大は要注意です。7科目をバランスよく勉強しなければならない大学と、実は7科目といいつつ合否に影響するのは3-4科目であることがあるのです。たとえば以前名古屋大学経済学部をとりあげて説明しました(文系の人は数学をやっておかないと 

それで今回の面談では、ある高校生の志望校の配点がセンター+2次で2400点満点、うち英数が1400点、物化を加えれば2100点という配点でした。合格最低点は1300点に満たない大学なので、この配点なら国語と社会は思い切って放置して英数物化をとことん強化するという方針がありえます。私がこの生徒の立場なら、少なくともそうする。

というのも二次の数学が難しいので、数学の学力が伸びきらなかった場合に二次の数学500点がまるまる0点となる可能性があり数学に注力せざるを得ないし、そのうえ二次の数学は数IIIまで含むのでかなりがっつりやらないといけないという状況だからです。

注力する科目にメリハリをつければこの大学の場合は合格可能性を高めることができるのですが、その一方で、他の大学へ出願を変更した場合にはそのメリハリが弱みとなるのも事実です。他の大学を志望するなら、国語も社会もバランスよく勉強しなければならないかもしれないし、数IIIまで必要ないかもしれない、色々と条件が変わってくるからです。

ここまで考慮したら、あとは実際に試験を受ける本人がどうしたいかによって決めればよいということになります。

入塾の面談では「志望大学の配点など知らなかったし考えたこともなかった」という生徒が少なくないのですが、こんな大事なことを教えてもらえるだけでも私の面談はお得。無料でやっているのがもったいないくらいだと思います。

塾生にたいしては、面談の機会を設けて話すこともあるし、面談しなくとも普段から頭のなかで生徒ごとの合格作戦を考えています。

大学受験というのは数学や英語が出来れば良い、という単純なものではないというのが難しいところですが、多くの高校生はそもそもその難しさを認識していない。だからこそ、ちょっと頭をつかうだけで優位性を得ることができるのだとも言えそうです。

清須市の大学受験 相伝学舎
http://www.sodeng.jp