月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

レジ速度を上げるのは誰の問題か 1

今日、スーパーで買い物をしたときに私の前にレジで会計していた人がカゴ2つ分の大量の買い物で、どんなことであれ待つのが嫌いな私は「なげえなあ」と思いながら、店員さんがピッピッとバーコードを通す様子を眺めていました。私は大学を卒業してからずっと一人暮らしをしていたのと、6年間で3回引っ越しているので結構色々なスーパーで買い物をしたことがありますが、東京の「オオゼキ」というスーパーのレジが恐ろしいほど速かった以外はすべて普通です。

買い手としてはレジ精算は速ければ速いほうが良い。そして、レジ担当の人もそれを分かっている。しかし、ここで問題です。レジ担当の人は、混雑しているからといって急いでレジを打つ必要があるでしょうか?

おそらく、レジを担当している人はアルバイトであり、1時間あたり○○円という給与体系になっているはずです。とすると、1時間で20人の精算をしようと、100人をしようともらえる給料は変わらない。普通の人の5倍の人数を精算が出来ても達成感が得られるというわけでもなさそうだし、「レジ速いね」と褒められたところで時給が20円も上がらないでしょう。速くやるインセンティブは全くありません。

一方で、スーパーの経営者の立場にたってみると、精算が速く処理できるにこしたことはない。顧客満足度は間違い無くあがるし、レジで待つのがめんどくさいから通販で済ませられるものは通販で(オイシックス、らでぃっしゅぼーや等)という取りこぼし層を呼び込めるかもしれません。

では、どうやってこの問題を解決するのか?

「速く精算できるように頑張ってくれ」と店長が号令をすることではもちろんないでしょう。そうするインセンティブがないのですから、普通は言われたところで最初の30分くらいしか頑張りません。別の視点が必要です。

レジの様子を観察していて思ったのは、バーコードの認識が上手くいっていないことが多々あったこと。バーコード部分がしっかりした平面になっていない野菜などで認識エラーをしていました。そのたびに、店員さんが角度を微調整して読み込ませている。とすると、認識エラーの少ないレジ本体を導入するという手がありそうですが、そう安いものではないだろうし、精算スピードが1.2倍になったときに売上がいくら伸びるのか推定が難しいので投資するかどうか判断するのは難しそうです。10台必要だったレジが9台で済むとかいう計算ができれば、判断つくかもしれません。

別のやりかたとしては、レジを速く打つインセンティブを設計してみるのもよいかもしれません。

たとえば1日に1000人のレジ処理が必要で、10人のレジ担当者が100人ずつ処理していたところ、2倍の200人の処理が可能になればレジ担当者は5人で済みます。5人ですむなら、浮いた5人分の人件費の半分をインセンティブとして上乗せして、残りの半分でさらにレジ担当者を雇用すれば人件費はそのままで処理量を増やせます。

あれこれ考えてみましたが解決策は正直どうでもよくて、私が言いたいのは、「これは誰の問題か?」ということ。もちろん、売上と人件費の責任・権限を持っている人の問題になります。それが店長なのか、エリアマネージャーなのか、本社の役員なのか知りませんが、その数字に対する責任がある人の問題です。レジの担当の人は気にする必要がありません。

この手の「問題を解決すべき人は誰か」という問題は、結構いろんなところで見ます。 

清須市の大学受験 相伝学舎
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