月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

価格が変わると実は○○が変化する

私も自分でサービスを作って売るということをする前までは価格についてたいして考えていませんでしたが、ついでにもう少し語ります。

モノの価格というのは需要と供給によって決まるので市場で流通しているものはたいてい価格が均衡しています。粗悪なものは安い値段じゃなければ売れないし、逆にまともなものをつくれば相対的に高い値段で売れます。買う側からみれば価格相応のものしか買えないということです。

塾も同じで、授業料と内容は比例します。内容というのは勉強の質という意味で、レベルの高いところを目指そうとしたらその指導方法を知っている人が少なくなる分授業料が比例するということであって、先生が楽しいから勉強する的な内容で言えば比例するかは知りません。楽しいから勉強したくなる的な塾であれば、お買い得なところも世の中にはあるのでしょう。

では、私の塾が今の月謝を半額にしたらお買い得になるのか?これ、すっごく微妙だと思います。

数年前に、中国の深センにある会社からiPhoneの充電ケーブルを400個くらい輸入したことがあって、うち100個はキティちゃんに酷似しているということで名古屋の税関で没収されたんですが、まあそれはどうでもよくて、それを販売してお金を稼いでみようしたところ全然売れなくて、家に軽く100個以上のiPhone充電ケーブルの在庫がたまってしまったことがありました。市場価格は1個1300円くらいなので、同じものをamazonとかで買ったら壊れるまで結構大事に使うと思うんですよ。でも、それが家に100個以上あると壊れようが壊れまいが死ぬまで使い切れない量なので、どうでもよくなる。扱いが超雑になりました。ちょっと接続が悪くなると、もういいやゴミ箱にポイ〜みたいな。

そう、価格が安いと、同じ商品でも扱いが雑になってしまうんです。

実はこれまで値付けに失敗したな〜と思ったことがあって、数学の演習クラスを試しにやってみたくて1講座2時間×4回で2000円というタダ同然の値付けをしました。そうしたら、とにかく欠席が多かった。これが10倍の20,000円だったらどうだったんだろう。20倍の40,000円だったら(申し込みもなかったかもしれないが)欠席は無かっただろう、と考えましたね。

興味深いと思いませんか?普通、サービスの内容が価格を決めているというのが一般的な考えじゃないですか。でもその逆、価格がサービスの内容を決めているという側面もあるということです。もちろん価格によってサービス自体は変化しませんが、価格によってサービスの受け取り方が変化するということがあるのです。だから、授業内容はそのままで月謝を半額に下げたら満足度が下がる可能性だってむしろあるんじゃないかと思います。

 

商売というのは人間を知る終わりなき旅ですね〜。


清須市の大学受験 相伝学舎
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