月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

出来るようになることのほうが大事

宿題も補習もやるほどアホになるぜ、ということを言う私の真意というのは、「人によって学習の定着の仕方が異なるのだから、自分が理解するまでやるべきことをひたすら繰り返せ」的なところにありまして、当然サボることだけを推奨しているのではなく、他人に与えられる大して意味のないものを全て放棄して時間を確保したあとで、自分で自分のケツを厳しく叩くのが快感というドSかつドMの共存した変態的人間になれということであります。

たとえば、定期テストの範囲として例題の1-100までを1回解いた証拠ノートを提出という、中学生を相手にしたかのような課題が普通科の高校では普通に行われていますが、そういう課題を設定すると生徒は「出来るようになること」よりも「終わらせること」にインセンティブを感じるので、とりあえず1回だけ解いてしまったら2回目、3回目と繰り返すことを考えなくなります。

しかし大事なのは「終わらせること」ではなくて「出来るようになること」であり、出来るようになったあと「入試で解けること」なわけですから、自分が出来るようになるまで2回でも3回でも繰り返して勉強しないと、自分の将来には繋がりません。

「出来るようになること」をインセンティブとするには、生徒の目標を「宿題提出」などという問題に矮小化するのではなく「模試で志望者順位の上位○割」とか「偏差値○○」とか、そういう入試に直結するところに向けてあげることです。本当は、模試ではなくて赤本等の過去問で合格最低点をとることのほうが適切ですが、高1〜2のうちは過去問なんて全く手に着かないでしょうから、まずは既習事項だけが出題される模試に照準を定めることに合理性があります。 

以上は「どうしても第一志望に合格したい」という強い意志のある生徒には極めて有効です。しかし、「とりあえず大学進学しておくか」くらいの生徒にたいしては、逆に宿題漬けにしてあげたほうが、予後はよろしいかと存じます。


清須市の大学受験 相伝学舎
http://www.sodeng.jp