大学受験のいいところって自分の得意科目で勝負できるところだと思うんですよね。
大学によって入試科目の配点が違うので自分が得意な科目の配点が高いところのなかで、自分のいきたい大学を目指すという作戦を立てることができます。
一方で高校受験はどこの公立高校でも配点はほぼ一緒ですから、得意科目を活かすというよりは苦手科目を潰していくという意味のほうが強くなります。得意科目を伸ばしても入試自体がそこまで難しくないので報われないですからね。
9教科による内申点制度も同様で、学校で学ぶ全ての科目をまんべんなくできる人間が評価されるという仕組みになっています。
一方で実際の社会では、あらゆることをまんべんなく器用にできる必要はなくて、自分が得意なもののうち人の役に立てるもののスキルが長けていることのほうが食べていけます。
とくにこれからの時代、"オール4"の代表的な仕事である事務職の給料は下がることがあっても上がることはないでしょうから、苦手なところをつぶしていくより、長所を伸ばしていくという発想を身につけさせたほうが時代に即しているのではないかと思います。
中学の内申点も5が最高点なのではなくて1,2,3,4,5,とんで10みたいに、突き抜けてしまった人を評価するような指標があってもいいのではないかと思います。
もちろん誰もが"とんで10"まで達する能力を持っているわけでもないでしょうし、万人に等しくそのような能力が与えられているとしても、自分にとって何が"とんで10"なのか分からずに大人になることだって多いはずです。
でも"とんで10"まで成長するにせよしないにせよ、今すでに得意なものを"とんで10"まで伸ばすことが価値のあることなのだよという考え方を伝えていくことには少なからず意味があるはずです。