月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

やるだけ時間の無駄(スタンダード、メジアン、クリアー)

どこの高校でも数学の教科書が一通り終わると入試問題演習として、数研出版の

・スタンダード数学演習

・クリアー数学演習

・メジアン数学演習

などのタイトルの問題冊子にとりかかるところが多いです。高1から使っている教科書傍用の問題集とは別物です。

数研出版によると難しい順に

 スタンダード>クリアー>メジアン

となっていますが、実際には

 スタンダード>>>クリアー≒メジアン

くらいの感じがします。

 


【スタンダードの掲載問題】

・国立大の入試の中でも発想力と計算力の必要な難問が多い

 

 

【クリアー、メジアンの掲載問題】

・国立大の入試の中で、これを解ききったら合格点を上回るレベルの問題が多い

 

授業の進行はおおむね

1.授業開始までに生徒がその日のお題の解答を黒板に書いておく。

2.先生がそれにコメント

という流れで進みます。

 

私は高校生のときから「なんで同級生のヘタクソ答案で勉強させられるんや」と思って、その手の授業は放棄していたわけですが)、なんでどの高校も同じようにこのやり方で進めるのか謎です。

まあ他人の授業の進め方はいいとして、生徒諸君は間違っても

・スタンダード

・クリアー

・メジアン

などの問題集を真面目にとりかかるなんて時間の無駄をしないようにしてください。

この手の問題集には、塾でよく生徒に紹介している「一対一対応の演習」と同程度かそれより難しいくらいの問題が収録されているのですが、問題数が圧倒的に多くそもそも高3に上がったばかりの時期には解けない問題ばかりなので、

頑張って考えても結局解けないし、そもそも解くための定石問題のインプットが不完全

という問題にぶちあたることになります。高3になってすべきことは、入試問題演習ではなくて、今まで定期テストごとに解いてきた問題を思い出して定着させる作業です。なので使うべき問題集は青チャートや教科書傍用問題集のような、「これまで使ってきた問題集」です。

スタンダード数学演習は東大京大に毎年一定数合格者の出るトップ高校で使われますが、問題の難易度は難関国立大の入試問題レベルで、スタンダードの問題が解ければ旧帝大未満の大学ならどこでも余裕で受かります。

クリアーやメジアンは問題の難易度は青チャートと同程度のものが多いですが、そもそも青チャートが難しいので、クリアーやメジアンの問題が解ければ大学受験の数学で困ることはないレベルです。

 

だいたい生徒がこのレベルの問題集にとりかかると

・最初の一手からして思いつかない

・全体の流れを解説されても腑に落ちない

くらいの理解にとどまります。

この問題集にとりかかっていいレベルというのは、青チャートと一対一の例題は問題を見た瞬間に解法の流れが頭に思い浮かぶ、というレベルです。

現役の生徒なら超優秀な生徒が高3の夏頃に達しますが、ほとんどの公立高校生はそのレベルに達することなく受験を終えますので取りかかっていい時期というのは一生やってきません。

 

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当塾でもみなさんの問題演習プリントのなかにスタンダードやメジアンなどから問題を選んで解かせることもありますが、それは「今回の範囲をちゃんと理解していれば、この問題なら解けるだろう」と私が判断しているからです。

 

なんでそんなレベルの問題集がこれほどまでに高校で採用されているかというと、先生が授業をやりやすいからでしょう。数研出版のこの手の問題集と、高1〜高2で使う教科書傍用問題集(クリアー、4ステップなど)は使う生徒の目線に立って作られているのではなく、教える先生の目線にたって作られています。

正直、普通の高校生には難しすぎて役に立たない問題集なんですが、一番困るのはこの手の問題集を高校で買うと「解答冊子を配られない」という珍事が起こります

そんなんじゃ勉強できねーじゃんって思うんですが実際あるんですよ。体感的には進学校の半数くらいでは配布されていません。

解答冊子を配らないことで高校生がちゃんと授業を聞くということを目的としているんだと思いますが、解答冊子を配布しても高校生がちゃんと授業を聞くように自己研鑽するべきす。

塾生のなかでそういうアホ高校に当たってしまった生徒がいたら、板書担当になった問題の答えを差し上げますから申し出てください。

 

大学受験 相伝学舎 (清須校舎、桜山校舎)
http://www.sodeng.jp