月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

英語を教えるのは職人技

塾を真面目にやっていくと規模拡大は難しいのだろうと予想がつくのですが、それは英語を教えられる先生がなかなか見つからないからなんですね。

数学なら、名大理系くらいに合格している人を捕まえて「うちはこういう方針でやっているから」と2-3時間OJTでレクチャーしたらそれなりに戦力に育てることができますが、じゃあ英語については名大文系に合格している人を捕まえて同じように2-3時間鍛えたらいいかというと、まずムリです。

まず難関大に合格しているからといって、理詰めで英語を習得したかどうかは分からないという点。元々のセンス+単語と文法+和訳演習、で合格できる人もいるので(例:当塾の名大医医の先生)、そういう人が指導者になると「ここをスッやって、グッと体をひねって、パーンと打てばいいんだよ」という感覚的な教え方になってしまいます。(冗談です)

フィーリングでの読解経験しかない人が英語教員になるとたいてい「単語、文法、長文」と言って生徒に教えますから「長文問題をたくさん解いているうちにいつか英語も読めるようになると」思っているのかもしれません。

さて、めでたく理詰め英語の大学生を捕まえたとしましょう。まだ問題があります。

理詰めで英語を習得したあと、難関大レベルに達するときにはその理論が頭から抜けきって「英語を英語のまま読めるようになる」という状態になっています。理詰めを極めると逆説的ですが英語を読むときに文法事項が頭に浮かばないんです。英語を読むのと日本語を読むのと、ほとんど感覚が変わりません。でもその状態だと理詰め英語を教えることが当然できませんから、教えるために頭を退化させて「英語と文法を利用して読める」という状態に持っていくことになります。

 さらにめでたく頭を退化できたとしても、生徒の和訳答案はよほど英語の学力が高いケースを除けばカオス状態!

「この日本語は、おそらく英文のこの部分の訳だから、解釈が違っていて・・・」

と瞬時に判断していくのは職人技です。

いま英語を担当してもらっているスタッフが最初仕事に取りかかってもらう前、過去の生徒の和訳答案を添削するトレーニングを施しましたが、最初のうちは解釈がばっちり合っているものを×とすることや、逆に間違いのものをスルーしてしまうことなどがありました。

普通の生徒の答案というのは、英語が得意な人の理解を(悪い意味で)超えますから、ある程度間違えのパターンを知っておかないといけません。

 

大学受験 相伝学舎 (清須校舎、桜山校舎)
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