月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

現実で確かめよう

英語って面白い、と思い込むとなんでも辞書を引いて調べてみたくなります。

ちょっと疑問に思ったことを辞書で調べて理解できると、参考書で一方的に文法を教わるよりも知的欲求が満たされます。

他の科目も同様です。

物理で2つの点波源から波は定常波を作る、と教科書で学んだ日の夜にお風呂で点波源を指で作ってみて本当に定常波なんてできるんだろうかと興味を持って自分で実験してみると「手じゃできねーわ」ということに気づきますが、湯船の壁に向かって手のひらで波を一定の間隔で作ってみると反射波と強め合いの波ができることくらいは確認できます。

社会では例えば地理で土壌の勉強をして「ラトソル、ポドゾル、ツンドラ・・・」などカタカナが続いてよくわからないなと思ってもGoogleマップを開いてストリートビューで調べてみれば本当に土が赤いのかなどを確認することができます。

 

ようは、教科書に書いてあることは現実のことだし、逆に現実を観察して疑問に思ったことのほとんどはすでにどこかの教科書に書いてあります。

そういう現実と理論の往復というのは経験した人にしか分かりませんが、感動をもたらします。なんで感動するのかは分かりませんが、まあ普通に考えて夜空に浮かぶ月がいつまでも地球の周りをまわっているのは地球と万有引力の法則で引き寄せ合っているからだという説明をされたら「なにそれすごい」という感動を覚えますよね。

感動しない?そんなはずありません。「なにそれすごい」と思ってみてください。「なにそれすごい」ってそのうち思うようになりますから。

このような原体験は別に高校生になって物理のエッセンスの問題を解きながらしなくても、小学生のうちから「月は地球と引っ張り合っています」くらいの説明でもできるので、幼少期にどういう知的経験をしているかというのはその後の勉強生活を左右しうる可能性があると言えるでしょう。

こう考えると、今の若い人はゲーム機を与えられてそれがネット通信で友達とやりとりできるほど高機能があり、別にゲーム機なんてなくてもyoutubeで延々とメントスをコーラにいれてみたような何の学びもない動画に触れる機会が多く、最終的にアホになる可能性が20年前よりも高くなっており気の毒だなと思います。

空に浮かぶ月をみて「なんで月は浮かんでるんだろ」と思うなんてよほどヒマじゃないとできないですからね。

子育てにおいてはそういうゲーム機やyoutubeを与えておくと子供が静かになってラクだという側面もあるのかもしれませんが、その分世の中の面白いことを理解できずに死んでいくことが確定なので残念だなと思います。

というわけで教科書で「万有引力の法則、2つの物体はF=GMm/r^2の引力が働く」と学んだら、帰り道に月を眺めて月から地球向きにFの矢印が現実に出ている(ように思える)ことを確かめましょう。感動しますから。

大学受験 相伝学舎 (清須校舎、桜山校舎)
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