月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

高3からの射程距離の考え方

高1高2のうちはやることを決めてそれを毎日取り組むだけで希望の大学を誰でも目指せるといって過言ではないのですが、高3となると話は別です。高1高2と決定的に違って、受験まで残り時間がありません。高3の4月ですら受験まで残り9ヶ月ほどです。高3の4月頃は「まだ時間があるし」などとのんきに思っている人もいるのですが「もう時間がない」というのが高3の4月です。

高3の今頃からの射程距離の考え方は模試の志望者順位です。自分が希望する大学の志望者順位でだいたい半分くらい、ギリギリ希望的に見積もって上位6割以内にいれば残りの受験生活を受験の閻魔大王に魂を売ることでなんとかなる可能性はまだあります。

でもやっぱり魂を売るのは難しいようです。私みたいに「学校の先生はみんなアホ」と高校時代から世の中を舐めた考え方をしていれば話は別ですが、内職をゴリゴリして多少先生に怒られようと嫌味を言われようと、入試の合否が人格を決めるんや!くらいの偏った考え方をしていないと魂は売れません。

それくらいできれば合格する可能性は十分あると思いますが、これも極端な話なのでそれができるからスゴイとかできないからダメということは全くないです。これができてしまう人は社会不適合者である可能性が高いし。

大学受験 相伝学舎 (清須校舎、桜山校舎)
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誰でもうかるはずの大学受験

高1や高2くらいだと受験までまだ時間があるし入試問題の難しさがわからないことで、自分がどのくらいの大学まで射程距離にいるのか見えにくい不安があります。

私は科学の権化のような?理学部で勉強していますが、こと受験については「受かると思えば受かる」というちょっとした宗教的な考えを持っています。受かるとおもって頑張れば受かる可能性があるし、最初から受からないと思っていたら実力もそれなりに落ち着きます。

もちろん過去に10年以上東大合格者が出たことがないような高校にいて東大にいけるかというとそれは多分無理ですが、自分の高校から毎年何人か合格者がいるような大学を目指すならあとは自分の努力次第でなんとかできます。

「えっじゃあ、大学受験って結構簡単じゃん!」

と思った人。そうです。机上論としては結構簡単なのが大学受験です。受験科目それぞれで2-3冊の参考書を何回も繰り返し解いて身につければどの大学でも合格点に届きます。

名大ですら、英文解釈をマスターして、チャートと一対一とやさしい理系数学、エッセンスと良問と重問、セミナー化学と重問、を高校3年間のうちにこなすだけで受かります。これを1-2年で詰め込もうと思ったら難しいですが3年あれば割と誰でもできます。

でも、誰でもできないから受からないし、それどころか出願すらできるようになりません。

それは結局、「受験科目それぞれで2-3冊の参考書を身につける」というのができないからです。部活だの定期テストだの、目先のことにいちいち時間を奪われてしまって、やりきる手前で終わってしまいます。これから富士山に登ろうといっているのに、いちいち小牧山を登っては下りていては富士山を登る時間がありません。

 

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入試答案にこだわる

等式や不等式の証明ができない人は意外と多くて、できない人は

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という、「成り立つから成り立つんだ!」的な答案をよく書きます。「成り立つから成り立つってどういうこと?」と感じてしまう人はたぶん不等式の証明ができてません。

示せといわれている式は成り立つかわからないから示せと言われているので、その式から議論をスタートしてもダメです。

ただこれは自分では証明ができているのかできていないのか気づきにくい問題でもあります。というのも、上の誤答も問題集の解答例もだいたい式変形は似たようなことしかしないからです。

「まあだいたい同じ式変形しているし、これでいいか」

くらいに片付けてしまいます。

運良く当塾に在籍している高校生諸君は私や私より優秀なスタッフが添削してくれるので、間違いの答案でも自信をもって提出してください。当塾ほど入試答案にこだわった塾もそうそうありません。

blogを読むと怪しさ満点?の塾ですが塾生諸君は「この塾がよさそう!」と思ったみなさんのお父さんorお母さんに感謝しましょう。個人塾というのは誰かのお墨付きがないとなかなか信用する気持ちになりませんからね。

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日本の陸地はどこで生まれたか

さて昨日残しておいた

「日本の陸地の年齢は数千万歳、でも岐阜県にあるチャート層は2億歳、なーんで?」

というクイズですが当然答えは、

「チャート層は遠洋で堆積し、その後一年に数センチメートルという速さで日本に近づいたから」

ということになります。皆さんご存じのとおり海洋プレートは海溝で沈み込みそれが地震を引き起こす原因でもあるわけですが、海洋プレート上にのった堆積物というのはマントルに沈み込まずに陸地に押しつけられて残ります。これを付加作用といい日本の陸地の多くは付加作用でできあがってます。

これは教科書的な説明ですが、実は付加作用というのはどこでも起こるわけではありません。日本では主に西日本で付加作用がおきますが(和歌山や高知には立派な付加体の露頭がありいつか行ってみたい)、東北日本では付加されずにマントルに沈み込んでしまいます。これは受験勉強で岩手大学あたりの入試問題を解いていたときに初めて知ったのですが、なぜそのような差異がうまれるか謎でした。この謎は入学してすぐ大学の先生に質問して解消されているんですが、ここではもったいぶって秘密にしておきます。ヒントは東日本には太平洋プレートがぶつかっていて、西日本にはフィリピン海プレートがぶつかっているということです。

それにしても遠洋でプランクトンが長い年月をかけてしとしとと降り積もって、それが日本の陸地をつくっていると思うとロマンを感じますね~。

さてもう一つ問題です。

日本最古の石が20億年前のものだということはなぜ分かるのでしょうか?

石のなかに時計でも入っているんでしょうか?

 

付加体についてはこちらの記事もご覧下さい。

sodeng.hateblo.jp

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日本最古の石博物館(岐阜県七宗町)

先日、日本最古の石博物館にいってきました。

岐阜県七宗町にあり、愛知県からは空港線(41号)をずっと岐阜方面に行くと一度も信号を曲がらず到着します。一般道でいけるのでありがたいです。

 

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こちらが博物館のタイトルにもなっている20億年前の日本最古の石・・・

 


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といってもこの岩のなかに含まれている礫(レキ)ですので枝豆ほどの大きさもありません。赤い矢印部分がそれらしいのですが、正直どれをさしているのか・・・。

 


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実は2019年に島根県でさらに古い25億年前の石が見つかりました。こちらは礫ではなくて石なので写真にうつっている通り目視可能です。

 

岐阜県の「最古の石」についてはレッキーくんというキャラクターがいまして

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このような風貌をしているのですが正直これを礫(レキ)というのは無理があるのでは・・・と私は思ってしまいます。

 

岐阜県にせよ島根県にせよ、日本最古の石といっても何十億年前から地表に顔をだしていたわけではありません。日本列島なんてたかだか数千万年の歴史しかない若い陸地です。

何十億年前につくられた石が、一度地中にうまったあとまたひょっこり顔をだしてみつかったわけです。きっと何億年かは地中でじっと高温高圧下にさらされたのでしょう。

ひょっこり地表に現れてからきっとまた何百万年くらいはたっていると思いますが、現在の地球は熱いと感じているでしょうか?きっと寒くてしかたがないと感じているでしょうね。

 

この博物館は入場料300円の割に展示が結構充実していまして、

 


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こちらは縞状鉄鉱層です。

海中に酸素を作り出す生き物(シアノバクテリア)が誕生して、海中の鉄をどんどん酸化させていったというアレです。


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こちらはストロマトライト。シアノバクテリアの死骸です。


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教科書によくでてくる示準化石がたくさんいます。

古生代とあるので結構昔ですね。(古生代→中生代→新生代)
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こちらは新生代の化石なので若い衆です。


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中新世というのは2300万年前から500万年前の時代で、このころまだ日本列島は形成過程です。


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立派な枕状溶岩の写真もありました。枕状溶岩はゴールデンウィーク中に静岡で見てきたので、こちらも後日アップします。


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そしてなんといっても放散虫ですね。

放散虫というのは遠洋のプランクトンで、この死骸がやまほど堆積するとチャートと呼ばれる堆積岩になります。

博物館の近くにチャートの露頭がありまして、そこも観察してきました。こちらも後日アップします。

さて、ここでみなさんに問題です。

日本列島の形成はたかだか数千万年の歴史しかないと書きましたが、実はこのチャート層はジュラ紀、だいたい2億年前くらいに堆積した層です。

これはどういうカラクリでしょうか?!このブログ本文をよく読むとあっさり答えは出てしまいます。

 

ヒント:海洋プレートは年に数センチずつ動いています。

 

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