月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

反動2

全力疾走したら疲れて休憩したくなるのと同じように、勉強でも勉強しすぎるとその反動で勉強をしたくなくなる時期が生じます。

高校受験を終えた高校1年生などはその代表的な時期でしょう。高校受験を終えてからも勉強量が落ちない人をこれまで見たことがありません。

それが人間らしさなので保護者のかたは(ご自身のことを棚に上げて)子どもが勉強しないことを嘆く必要はありません。お腹いっぱいになったら誰もそれ以上口にものを入れられないのと同じ状況です。

その後、人生の目標などがあって大学受験にモチベーションがある人は早い時期に勉強量を回復していきます。一方であまり目標がない人は勉強量は回復せず、低空飛行を続けます。

そういう場合保護者のかたはどう声をかけたらよいでしょうか。

もちろん何度もblogで書いているとおり私の答えは「放置」です。

高校生くらいの年齢になるとモチベーションは他人に与えられるものではなく自分でみつけるものになります。自分で人生の目標を見つけてそれに対して行動していくことで、自分とは何かを認識してアイデンティティを確立していきます。

親がなんといおうとノイズにしか聞こえません。

中学時代は微妙な年齢です。

親が無理矢理やらせることもギリギリできなくはありません。

でもこの時期に勉強を無理強いすると高校受験までは乗り切れますが、高校受験終了後に緊張の糸が切れるとともに、精神的に病む可能性が高いようです。

いつまでも親が口だししていると行動基準が「自分がどうしたいか」ではなくて「親がどう思うか」になり、価値観が養われずに成長の機会を失います。

しばしば保護者のかたは「受験で失敗させたくない」とおっしゃいますが、受験の成否と成長の機会のどちらが貴重なことなのか天秤にかけてほしいです。

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反動1

8月中はずっと働きづめで、7月までは大学での勉強づめで生活してきたので、その反動で今は毎日小説を読む日々を送っています。

小説は登場人物の気持ちを擬似的に体験できるので、人の気持ちを理解するのが苦手な私にとっては教育的な存在です。

小説は実在しない空想のことだから学ぶ価値なんてないのではという反論があるかもしれません。では、目の前に見えることや教科書で学ぶ自然科学は常に真実でしょうか?

人間が目でみていることは網膜が受け取った電磁波を脳が処理した情報にすぎないし、私たちが学んでいる自然科学なんていつ新しい理論がでて「今までのこと全部間違いでした〜!」となるかわかりません。

数十年前には海洋プレートが大陸プレートに沈み込んでいくなんて誰一人考えていなくて、世界中は沈降&隆起を繰り返していると考えられていたわけで、数十年前に地学を勉強した人は間違えた理論をひたすら勉強していたわけです。今のところ地球内部は液体の外核と固体の内核になっていると言われていますが、50年後に「実は地球内部は空洞でした」という新しい理論ができるかも?

結局、目で見ていることも、自然科学も、小説のストーリーも、不確かであることに変わりないし、どれも結局は脳で考えてイメージしているという点で同じです。

 

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魔王(伊坂幸太郎), 容疑者xの献身(東野圭吾), ルームメイト(今邑彩)

最近、毎日一冊小説を読んでいるのでまとめて感想文書きます。

感想文は必ずネタバレありです。

 

魔王 伊坂幸太郎

他人をみつめて心でセリフを喋ると、そのセリフ通りに他人が声を出すという中二病全開の能力を手に入れた主人公(設定はたしか20代)が、同僚女性に「好きです付き合ってください」と言わせるなどして弱者男性の妄想全開の行動に出るしょうもない話。5ページに1回は政治家によって群衆が突き動かされる描写があり、やたら政治のメッセージ色が強くウンザリしたため全体の1/2を読んだところでギブアップ。

面白度:コンパス1つ

🧭◯◯◯◯

 

容疑者xの献身 東野圭吾

大学時代めちゃ優秀で有名だった石神は色々あって高校の数学教師に落ち着く。しかし教育困難な生徒に追試を連発しているなか生きる意味を見いだせず自殺しようとしたときに、隣の家に夫と離婚した妻とその娘が引っ越してきて元妻に一目惚れ。そしたらある日元妻が部屋でカネをゆすりにきた元夫を殺してしまってそれに気づいた石神が元妻に近づき、事件を隠滅しましょうと提案。めちゃ優秀な脳みそフル回転で、なんともう一人別人を自分が殺してまうトリックを遂行してまで未亡人&娘を守ろうとする。

たぶんそのままいけば3人ともめでたく事件を隠蔽できたのに、石神の元同級生で現在大学准教授の湯川が登場し謎を解き明かし石神の努力を全て水の泡にする。

恋愛経験なさそうな石神が自殺直前に未亡人に惚れた生きがいで超頑張ったのに、同じく恋愛経験なさそうな湯川がいらんことして石神のプランを台無しにする、ムシャクシャストーリー。湯川は探偵ごっこしてないでおとなしく大学で研究しとけ。

最後未亡人は「自分だけ幸せになれないっ!?」とか言い出して自首して石神の計画は完全にパー。石神が報われない、救いのない話。石神以外全員自己中。

面白度:コンパス2つ

🧭🧭◯◯◯

 

ルームメイト 今邑彩

多重人格をもった女性が、「内縁の妻」「女子大生」「ホステス」という3人を同時並行して生きる生活をして関係者が色々困る話。「内縁の妻」の夫Aは、内縁の妻がいきなり家出してびっくり。「女子大生」のルームメイトB(同じく女子大生)は、女子大生がシェアハウス生活4ヶ月目でいなくなって来月の家賃どうしようと悩む。「ホステス」と付き合っていた男Cは、ホステスがかつて性的虐待を受けた男を代理で殺してあげたのに「やっぱあんたいらない」と言われて別れられて困る。多重人格女性はこの付き合ってた男に殺されてしまう。

小説の序盤でストーリーが大きく展開するのでこれ以上どういう話の展開になるのだろうと心配になるが実は登場人物中にもう一人多重人格者がいて、ホステスと付き合っていた男C=女子大生Bというオチ。最後この男Cと女子大生Bの彼氏とのバトルになって結構ドキドキした。

付き合っていた男C(実は女B)が1ページ目に登場したときたしかに一人称が「俺」の割には女っぽさを感じて、作家が女性だとそういうもんなのかと済ませていたが、読み返してみると「俺は濡れた髪を拭きながら・・・」と書いてあり、女っぽさの原因はこれかと納得。

面白度:コンパス4つ

🧭🧭🧭🧭◯

 

 

 

 

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最近の授業の様子

 

高2 ベクトル

ベクトルは「次何をしたらよいか?」「そもそも今何やっているのか?」迷子になりがちです。そこで「平面ベクトルでは2つの基準のベクトルだけで関係式を表すことを考える」と教えました。

 

高1 確率の最大値

式の意味の理解と、階乗や指数の処理がかなり難しい問題です。

 

高3 場合の数の解答

式だけ書いて終わる人が多い分野です。他人がみて数字の意味がわかるのに十分な日本語を書いてもらいます。

 

高3 アルファベット

かなり独特なアルファベットを書く人がたまにいます。数学のアルファベットの書き方(フォント)は決まってますので、その通りに書くよう教えます。細かいことですが、採点する人にとって印象が良い文字を書けるにこしたことはありません。実際の入試では「この文字なんて読むの?」と採点者が受験生に確認できないことを高校生諸君はよく認識しましょう。

 

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