月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

松江記録2(地質調査編)

葬式が目的できたとはいえど、片道5時間かけて松江に行ったので島根県の露頭を探すことにしました。

露頭はだいたい沢沿い、川沿い、海沿いのどこかを探せば見つかります。

沢沿いは普段着で行くと靴や服が汚れるので、今回は海沿いを探すことにしました。

適当に海沿いをドライブしているとすぐ見つかりました。

湾内の露頭です。

日本海なので港の内部もまあまあ波が荒れてます。

近くで見ると色は黒っぽくて多孔質です。玄武岩か苦鉄質マグマ起源の凝灰岩です。

後ろを振り返ると地層が出てました。

レンタカーはスケール用です。

この露頭をトレーシングペーパーでスケッチしました。

下から泥岩、砂岩、泥岩(スランプ構造)、礫岩、凝灰岩です。一番上の凝灰岩は湾内の露頭と同じ地層です。

スランプ構造とは未固結の堆積岩が海地滑りなどで圧縮された形跡です。

このまま切り取って家に飾っておきたいくらいドスが効いています。

 

また別の露頭です。

砂岩・泥岩の互層が海の方向に傾斜しています。日本海は絵になりますね。

何千万年前に海底で堆積した砂岩泥岩が地表に現れて、傾斜し、日本海の荒波によって浸食されています。自然が自然をパイ生地をこねるように織りなす様子はまるで、大豆でつくった豆腐に醤油をかけて食べるようです。

 

アップでみると1〜2m周期で互層になっている様子がよくわかります。

これだけのスケールの地層が目視できることもなかなかないので貴重です。

軽く探しただけでこれだけの露頭を観察できました。

島根県は地質調査にはなかなか面白いかも。

 

おまけ 原子力博物館の展示

原発周辺の断層の調査の説明が展示されていました。

原子力発電という私たちの生活の基礎となる施設には、地質学が活用されています。

 

相伝学舎 清須 http://www.sodeng.jp
reasn いりなか・八事 http://www.reasn.jp

松江記録1(思いで編)

身内に不幸があって日曜日は島根県にいきました。


島根までは名古屋から岡山まで新幹線、岡山から松江まで特急で合計4時間かかります。特急は景色が最高なんですがとにかく揺れて体力が削られます。

松江に到着したころにはくたくた。

葬式は夜からだったのですが松江に到着したのは14時で、夜まで観光することにしました。観光といっても松江城とか出雲大社のような観光客向けの観光地ではなく、幼少期に毎年里帰りしたときに遊びに行った思い出の場所巡りです。

まずはご先祖様に挨拶ということでお墓参り。

お墓をみると木村家は享保まで記録が残っていました。私の顔を見たいご先祖様があっちの世界で行列してるはずなので20分くらい立ち止まっておきました。多分、みんな顔似てるんだろうなあ・・・。

その後は原子力館という島根原子力発電所の施設にいきました。

20分もあれば一周できてしまう展示館で遊ぶものなんてほとんどないんですが、里帰り小学生にとっては貴重な遊び場の一つでした。

 

内部は20年前からリニューアルされているようで記憶にある展示はほとんどなくなっていましたが、見晴らしの良い休憩スペースはおそらく当時のまま(といっても休憩スペースだからそもそも無くなるものも増えるものもない)で、家族で行った情景を思い出しました。

当時は冷凍食品自販機があって、焼きおにぎりやたこ焼きが売っていました。冷凍食品なので特別美味しいわけではないんですが、あの何の特徴もない味を思い出したら、幼少期の自分が何の危険も心配もない世界で生きていたことに気づきました。

そのような安全な世界は親がせっせと作ったものに違いないんですが、子供には感じないし見えないんですよね。自分も子供を育てる立場になって初めて気づきました。

 

相伝学舎 清須 http://www.sodeng.jp
reasn いりなか・八事 http://www.reasn.jp

リミッター

世の中にはいろいろなリミッターがあります。

日本の車は180km/h以上でないようにリミッターがかけられています。ドイツ車だと250km/hらしいです。

うちの塾では自習室が日曜定休です。これも塾生のみなさんは薄々勘づいているとおり、日曜に使おうと思ったら使える仕組みは整ってます。というか24/365つかえます。でもリミッターをかけてます。24/365で誰々が入室しましたという通知が私の携帯に届いても気が休まらないので。

もちろん高校生の学力もリミッターがかかっています。学力なんて伸ばそうと思えば簡単に、いくらでも伸ばせますが本人がリミッターをかけています。

もっと自分の可能性を信じて頑張ればいいのにというポジティブなものもありますが、大半はおかしな勉強方法をしているとかそもそも勉強時間が足りないというちょっと残念なリミッターです。

一日10時間勉強することが大変なことだと思っている人は多いです。でも当塾の合宿参加者の多くの人は「意外となんとかなるものだ」と感じています。これは自分の集中力を低く見積もっていたということです。これもリミッターです。

困難なことも「自分ならできる」と思い込むとリミッターは外れます。

相伝学舎 清須 http://www.sodeng.jp
reasn いりなか・八事 http://www.reasn.jp

ガラスの天井

再び受験勉強論です。受験勉強はまず自分の学力に適した教材を選んで、その教材を極めるというやり方が合理的です。その反対にあるのが、学校で配られた教材のテスト範囲の問題を解くことです。両者の違いは、自分のレベルにあったことをやるか、学年数百人を対象にした誰に合うわけでもないことをやるかの違いです。

愛知県の私立一貫校の生徒、公立高校の生徒どちらも教えている私が観察するかぎり、私立一貫校の生徒のほうが前者のやり方を採用する傾向にあり、公立高校の生徒は後者のやり方を採用する傾向にあります。

一貫校は学校から強制される課題が少ない上に、保護者のかたの塾探し熱が高く、高校に上がるころまでには水の合う塾や予備校を決めて高1くらいまでには「あとは突っ走ってこいわが息子or娘よ」という段階に進みます。本人が意図しようがしまいが、受験勉強的にはかなりの好条件を獲得します。当塾で見ている限り、保護者のかたの狙い通り(?)、受験生活を通して桜の開花のようにポテンシャルを発揮します。

一方で公立高校は学校が父権的であることに加え、高校受験が終わると「まずは高校生活を🎵」と一息ついてしまって、その後再び受験勉強に戻るのが高2高3になります。しかも管理教育校にいると入学直後から客観的に見て宿題のようなほとんどノーカウント相当な勉強しかしていなくても、とりあえず勉強をやった感だけgetすることで問題を先送りにしがちです。

公立高校生はポテンシャルを100%発揮するのが難しい環境にあり不利です。もっと学力あがるのにガラスの天井にブロックされてしまっています。

そのため私はこのブログで「自習しなきゃ受かるわけないだろ」という当たり前のことを何度も発信して、埋もれそうになっている高校生が一人でも多く能力を開花することを願っています。