月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

前置詞+名詞=形容詞or副詞 の解釈

高校生クラスの英語の授業は原則的に英文解釈のトレーニングをしています。英文解釈とはこの記事でご紹介するように、はっきり言ってめんどくさい上、丁寧にやってたら60分とか90分の入試の時間があっという間に過ぎて言ってしまいます。

しかし、難解な英文を速く読もうと思ったら英文解釈は避けて通れません。これは絶対に習得しなければならないことです。

英文を「速く、正確に」読めるようになるまでの道のりはこのようになります。

まず、左下の「遅く、不正確」という地点から一般的な高校生の英語の学習はスタートします。右上の、「速く、正確に」まで斜めに突破することは出来ませんから、まず「遅い、正確に」読める段階に成長する必要があります。相伝学舎で教えている英語はこの段階です。英文解釈の勉強と言います。

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「遅く、正確」というゴール前のサナギ段階で、英文解釈のいくつかのルールの使い方を徹底的にたたき込むことによって、自然と右上の「速く、正確」というゴールへと羽化していきます。これは授業ではやりませんが、速読英単語などの長文を英文解釈を用いて多読することによって、羽化できます。成長の早いひとでも高3の夏以降のことです。

 

一方、多くの受験生が歩む道のりはこうです。パラグラフリーディングやロジカルリーディングといった、いかにも速読のためになりそうなテクニックを習得するとか、もしくは何も習得せずにひたすら英文に当たるなどでこの道のりをたどります。

 

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一言でいうと「速く読めた気になっているだけ」です。

そしてこの道のりには落とし穴があります。「行き止まり」です。

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「速く読めた気になっている」だけの人が、正確に読めるようになるわけがありません。この道のりを進んでしまった人は、一歩下がって、オレンジの道のりを歩み治さなければなりません。

では、「正確に読む」とはどういうものでしょうか。

皆さん、前置詞+名詞=形容詞or副詞、というルールはご存知でしょうか?一般的に前置詞in,at,on,for,,,など無数にある前置詞は原則的に、あとに名詞を続けてそのカタマリは形容詞(名詞を修飾する)か副詞(名詞以外を修飾する)のどちらかになります。

前置詞と名詞のカタマリが形容詞なのか副詞なのかを判断出来るというのは、正確に読めるための第一歩です。

たとえば辞書を見てみましょう。前置詞forを引くと、いくつか例文があります。

They came for our aid. (彼らは私たちの助けを求めにきた)

この英文で前置詞forは「〜を求めて」という意味で使われています。さらに下線部のカタマリは直前のcameという動詞を修飾する副詞と解釈出来ます。

She has already left for school. (彼女はもう学校へ出かけました)

これも簡単で、「〜を求めて」の意味で使われ、直前のhas leftを修飾する副詞です。

では、次のセンテンスはどうでしょうか。

He has a house for rent. (彼は貸し家を持っている)

forは「〜のための」で用途を示す用法で、下線部は「貸すための/貸すために」ですがこのカタマリが副詞であればhasを修飾して「貸すために持っている」で、形容詞であれば「貸すための家」と訳せます。このケースだとどちらでも解釈出来なくはありませんが、より自然なのはどちらかというと形容詞です。

より自然というと少しごまかした感があるかもしれませんので、もう少しロジカルに解釈できるケースをご紹介します。

Digging a tunnel for a subway is not easy. 

for+名詞のカタマリが副詞のときは、センテンスの直前か動詞の直後かセンテンスの一番後ろに置かれることが多いのです。このセンテンスではDigging a tunnel for a subwayのあとに述語動詞である"is"が来るので、Digging a tunnel for a subwayで主語のカタマリと感じられるのです。そうすると、for+名詞は直前のa tunnel=名詞を修飾する形容詞と判断がつき「地下鉄のためのトンネルを掘ることは、容易ではない」と解釈出来ます。

この判断のトレーニングとして今月に相伝学舎で行っている高校生向けの授業内容をご紹介します。先月までに高校生クラスはある程度まとまった数の英文を授業で取り扱いました。そこで、授業で取り扱った英文のなかから 前置詞+名詞=形容詞 となっているものを抜き出して羅列し、その後 前置詞+名詞=副詞 となっているものを同じように羅列してもらっています。これをすることで、in, at, of, forなどの前置詞のそれぞれにおいて、どのような用法で使われることが多いのかを生きた英文のなかから整理することが出来ます。

 

この勉強、意味あんの??と思った人も居るかもしれません。もちろん、意味があります。中学時代英語で4と5しか取ったことが無い、さらに高校は西春や五条に進学した、という一見優秀な高校生に大学入試の4歩くらい手前の簡単な文章を和訳させても、前置詞+名詞のカタマリが形容詞なのか副詞なのか、そしてそれぞれの場合どこを修飾しているのか理解している生徒はほとんど居ないのです。

 

7月いっぱいでこの復習は終えて、夏期講習からはまた新たな英文に取り組んでいきますので高1、高2の生徒で入塾を検討している人は切りの良いところで夏期講習からご検討下さい。また3ヶ月くらいしたら、それまでに取り扱った英文のなかからまた違った切り口で英文法のルールを確認するトレーニングをします。

自分で言うのもなんですが相当良い授業だと思います。

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