月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

セミに思う、生存のための競争

家を出るときにブーン!という音とともにセミが目の前に落ちて倒れるのを見ました。セミは成虫になってから7日間ほどの命ということにたいして、私を含め多くの人は「短い命だ、けなげだ」などと思ったことでしょう。しかし、セミからしたらこの7日間について別に短いなんて思っているはずもなく、それが短いか長いかを判断している自分の自己中心さを29になって感じます。人はほっといたら自己中心な考え方に偏る傾向があるのでしょう。もちろんセミからみたら「人間は80年も生きるらしい、アホか」くらいに思っているかもしれません。

さてセミという種がいつから始まっているのか知りませんが、100年とか200年ではなく数百年、数千年くらいの単位で生き残っているはずです。セミの一生が7年サイクルだとすると、数百回〜数千回はDNAのリレーを繰り返していて、そのなかでいくつもの突然変異がおこり、そのときの環境に適した変化だけが生き残ってきたとすると、生きるか死ぬかの環境の中で最も優れた形態を常に追い求めるセミの遺伝子こそがけなげで尊いものであるように思えます。

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一方、人間の世界はというと日本では賃貸暮らしでも手取り20万円、持ち家なら手取り10万円さえあれば食べるのにはまず困りません。各種税金を合計したら五公五民くらいのような気もしますが、治安がそこそこよくインフラも整った日本に暮らせることを思えば妥当なのかもしれません。生き延びるだけでいえば不運な事故や病気さえなければ、よほど餓死や絶滅の危機に瀕さないという環境は、私たちがいち生物であることを考えれば奇跡的な環境と言えるでしょう。

そんな環境の中、居心地の良さを求めてかしりませんが競争することが意図的に減らされています。徒競走でみんなが一緒にゴールすることもあるようです。

死の危険性がなく、それ以前に競争の危機意識もないという状況で、よりよい生活や環境を求めて、もしくはより自分の能力を高めるために勉強したり自己鍛錬する人が少なくなるのは当然のことです。しかし、一歩日本の外を見てみれば東南アジアの経済成長を見るまでも無く激しい競争環境ですし、そもそも日本の外を見なくても企業間での生存競争は激しいと形容できます。

また、企業間競争だけで無く、企業内でも出世のための政治競争はすさまじいです。もしかしたら、これが一番すごいかも?おまえの売上は俺のもの、俺の売上は俺のもの、じゃないですが、社内でお客さんを取り合いしてでも自分の結果を出すことに固執する猛烈部長の姿をみて「なんて汚いんだ!」と思った私は甘ちゃんです。「なんて素晴らしい競争なんだ!」と思って見習うべきでした。そうやって生き残れば、出世して給料もあがって家族がよりよい暮らしが出来るのですから。社内でいくら人に嫌われたって、結局会社を出れば他人です。私も競争にたいする意識がぼけていました。

競争の意識がないと気づかない間に負けています。競争に負ける経験をするからこそ、なんとか努力をして勝ちたいと思い、次の行動を起こせるのです。なので私も気づいたら負けていました。政治競争という勝負ではこの人たちには勝てない、そう思うほどすごい人はすごかったのです・・・(笑)。明らかに勝てない勝負に時間を使うのは浪費ですから、勝てる勝負を探して今の仕事に至るわけですが。

生存競争の勝ち負けは、前述のとおり20万円あれば生き延びることが出来る日本においては意味が無いかもしれませんが、生存競争の勝ち負けは別の勝ち負けに繋がっています。それは、社会に何を提供出来るかという観点での勝負です。

食うに困らない世界だからこそ、競争すべきことは自分が生まれたことで社会に何を提供できるかです。歯がゆい言葉ですが、社会貢献の程度です。当然、この程度が大きい人が勝ちです。1人で20人を少しだけ幸せに出来る人より、1人で100人をたくさん幸せにできる人のほうが優れています。

競争は幼少期から意識しておかないと社会に出て気づけば負けになりかねません。それにはいろいろな場面で「競争」があることを認識し、勝った場合には追随を許さないこと、そして負けた場合にはどうすれば勝てるのか、もしくは勝てる別の勝負に挑むのかを常に判断する訓練をすべきです。

 

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