月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

塾に行ったから大学に受かるというわけではない

私は大学受験には塾や予備校通いが必要だと思っていまして、だからこそ塾を開いているのですが、では塾や予備校に通ったからといって合格する可能性があがるかというとそういうわけでもありません。

勘違いしがちなのですが、とくに高校受験で塾通いして良い成績をとった生徒にとってはそういった先入観が少なからずあるでしょう。もちろん高校受験においては塾にいけば高校に受かるという可能性が高まります。2つの側面があって週6時間程度でも塾にいって勉強すれば定期テストは各科目+10点は稼げるでしょうし、それによって高校入試本番もやらないよりは良い点数がとれるようになるでしょう。

では同じように週6時間、大学受験勉強をしたらセンター試験の点数が各科目5点や10点もあがるでしょうか?ありえないですね。週6時間すべて1科目に費やすのであれば可能性はありますが、それが3〜5教科となってくると分散してしまって非現実的です。センター試験というのは簡単ですがそこまで簡単ではありません。

点数があがらないなら塾や予備校は不要なのかというと、それは短絡的です。塾で勉強を始めたけれども偏差値はあがらない。その原因は、塾/予備校に学力を与えてもらえると思っているからです。そんな単純な話なら代ゼミや河合塾に通う生徒はみな一流の大学に合格していきます。しかし実際はそんなことはない。では、塾通いして偏差値があがる生徒とそうでない生徒の差はどこにあるかというと、塾で教わったことをフル活用して塾で勉強する10倍も20倍も自分で勉強できるかどうか、ただそれだけです。

スポーツや楽器のレッスンを受けたことがある人ならわかるでしょう。たとえばヤマハの楽器レッスンというのは種類にもよるでしょうが30分程度です。週1回、30分のレッスンに通うだけで上手くなるわけないですよね?しかし、レッスンで教わった練習方法を家で毎日2-3時間も繰り返して翌週またレッスンにいけば、成長したことが実感できる。だから皆、レッスンを続けるわけです。

塾も同じで授業中にもちろん「知識」を教えるのですが、「勉強のやりかた」も少なからず授業に挟むわけです。たとえば、先日の高校生向け英語で"turn away"という表現が出てきました。このawayは副詞で、動詞turnを修飾しています。辞書でturnを調べるとaway以外にもturn out, turn over, turn off...など色々な表現があるので調べて書き出してもらいました。これは知識ではなくて、勉強のやりかたです。動詞+副詞という表現はtake, keep, put, come, getなど色々な動詞で出てきますから、自習するときに動詞+副詞の表現が出てきたときに同じように辞書で表現を見ることで知識が深まります。この勉強の何がよいかというと、動詞にくっつく副詞(away, up, out, off)というのはどの動詞にくっついてもだいたい似たような意味を添えることになるので、辞書でひけば引くほど、副詞に対するイメージが明確になっていきます。そうすると、見たことが無い単語でも推測する力が知らないうちについていくのです。

これは単語帳で put away, give up, turn out, take away...を一語一語覚えるよりも、有機的なつながりを感じられるし、推測力がつくという点ではるかに効果の高い勉強です(単純に単語と意味だけ並んでいる単語帳はゴミなので捨てましょう)。同じ1時間の使い方でも、勉強のやりかた次第で2倍も3倍も差をつけることができるなら、やらない手はありません。

しかし、塾は「知識を与えてくれる場所」というイメージが抜けない生徒にとっては、これはピンとこないでしょう。こういう考え方のままだと、いくら塾や予備校の受講数を増やしてもお金が減るだけで偏差値はあがっていきません。偏差値が上がるのは授業を受ける時間ではなくて、自習の時間なのです。宿題でもありません。自習です。

塾や予備校に通っていても学力があがらない、偏差値があがらないと悩んでいる人は、自習時間に何をどれだけ勉強しているのか考えてみましょう。

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清須市の大学受験 相伝学舎

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