月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

漫画、「神々の山嶺」から学ぶ受験勉強の示唆

来年映画化されることで話題の「神々の山嶺」(かみがみのいただき)という漫画を読んでみました。元々は小説だったものが漫画になったようです。

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私最近までは読書といえば活字の本に限ると思っていたんですが、漫画は漫画で結構良い所があって、たくさんの取材に基づいて描かれているので勉強になるんです。普通の本だと、それこそ著者の主観onlyで書かれていたりする本もあるので、下手な本よりは漫画のほうが勉強になったりします。

で、神々の山嶺というのはエヴェレストに挑むある一人の男についての漫画なんですが、私が読みたいと思ったのはこれまで登山ってほとんど無関係に生きてきたからです。良い漫画は膨大な取材のもと書かれているという仮定に基づけば、この5冊を読むだけで登山についてのちょっとした知識がつくかなという淡い期待でした。

 たとえばこんなことを知ると面白いですよね。

食料はほとんどが液状にして口にするか菓子状のものである
8000メートルを超えると人間は固形物をほとんど喰えなくなる
それで蜂蜜やスープが食糧のベースとなる (第4巻より)

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これは登攀中の事故の様子ですが、数十メートル落下すると壁面にぶつかって怪我をしたり、落ちた衝撃で背中に相当な力がかかるらしく、一見ロープをよじ登れば助かりそうな感じはしますが怪我によってはそのまま何もできずに助からず、ということがあるらしいです。怖い・・・

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こういう豆知識的なことだけでなく、人生の示唆に富んだシーンもありました。

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これは主人公が酸素ボンベなしでエヴェレストに挑む直前のシーンで、ガイドのおじちゃんが主人公に語りかけています。今まで色々準備してきたがエヴェレストに登れるのは最後には天候に恵まれるかどうかに左右されるから、神様がどう判断するかだ、みたいな文脈です。

おまえはそれを天に問うためにあそこにゆかねばならない
それを天に問うことができる資格をもった人間は少ない
ビカール・サン おまえならその資格がある!(第4巻より)

これそのまま大学受験にも言えますよね。勉強というのはエヴェレストと違って神頼みの要素は少ないものの、高校生になるまでにどれだけ勉強してたかというのは大きい要素です。そのうえ高校3年間で勉強を頑張って東大や京大をまじめに狙えるレベルに持って行けたとしたら、あとは入試当日の体調を天に問うだけ(?)ですよね。それを天に問うことができる資格をもった受験生というのは、たとえば東大なら定員3000人に対して受験者が約1万人ですから、同世代120万人のうちたった0.8%しかいないわけです。授業中に生徒に発破を掛けるネタとして使えますね(笑)。

こういう話は小説で読んでもよかったかなと思いますが、私みたいに登山知識ゼロの人が読むには漫画のほうが良いでしょうね。ビバークとかスラブとか、知らない単語が出てくるたびに検索しないといけないので。

大変勉強になりました。 

神々の山嶺 全5巻セット (集英社文庫―コミック版)

神々の山嶺 全5巻セット (集英社文庫―コミック版)

  • 作者: 谷口ジロー,夢枕獏
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/02/01
  • メディア: 文庫
  • 購入: 2人 クリック: 2回
 

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