月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

素直さと頑固さのバランス

学力を高めるまでの道のりが決まり切っている大学受験勉強というのは、その王道を知っている人のアドバイスを素直に受け入れられるかどうかで大部分が決まってきます。

塾の生徒でも「これを取り組んでみて」というアドバイスを私がして、すぐに言われたとおり取り組む生徒と、「わかりました」といって結局やらない生徒と、どうしても分かれます。当然、言われたとおり取り組む生徒のほうが一瞬で学力があがるし、結局やらない生徒というのは右往左往して学力が上がらないか、最終的に私のいうとおりやってくれて少し遠回りしつつ学力があがるというオチになります。

私自身は、よく言えば素直であり悪く言えば騙されやすい性格の高校時代を生きていたので、通った塾の先生のことを半分盲目的に信じて学力を手に入れました。たぶん、私の塾の同級生でも同じ先生のアドバイスを結局やらなかった生徒は居たのだと思います。

もちろん私は相伝学舎の生徒全員に学力を上げてもらいたいし、全員に第一志望に合格してほしいですから、全員が素直に言うことを聞いてくれればなあと思うわけですが、「わかりました」と言うだけの生徒にたいして「素直になれよ」というアドバイスは意味がありません。「頭が痛いです」という生徒に「頭いたくなるなよ」というアドバイスが無意味なのと同じです。

これは大部分生まれてから15年間で手に入れた能力であるように見えます。とすると、一言二言アドバイスしたところで何も変わらないし、むしろ少しのアドバイスで性格が変わるようなやつはフニャフニャしすぎで気持ち悪いですよね。

ただ大学受験というのは、王道を歩いた生徒が強い競技ですから、なかなか人の言うことを信じられない生徒というのは単純にハンディを背負っているのと同じです。そういう生徒は、どこかで埋め合わせをしなければいけません。このことに気づけるか、そして気づいた上で努力できるかどうかは私の手に及ぶ範囲ではありませんから、自分で気づいてもらうのを待つのみです。

さて、ここからが問題なのです。

言うことを素直に信じることが出来るというのは能力なんですが、難関大学を合格したいのなら背反に思えるもう一つの能力が必要です。

それは、頑固さです。

頑固というのはどういう意味かというと、志望校に合格するためにこだわるということです。

どうこだわるのかというと、自分で試行錯誤するということです。

素直さがあるというのは他人のいう通りに動けるということですが、他人の言うとおりに動くだけで無く自分でも考えて判断し実行するという頑固さが必要なのです。

一流大学の合格体験記を読むと、多くの学生が自分で色々な勉強方法や自己管理方法を編み出していることに気づきます。これが頑固さです。目標を達成するために、あらゆることにアンテナを張って、工夫できることはなんでも工夫する。

午前中は脳が疲れていないので数学の勉強をする、寝る前は暗記物にするという定番ものから、エビングハウスの忘却曲線にならって復習のペースを決めたり、登下校のときに目に入るものを片っ端から英語訳してみたり、工夫できるところは無数にあります。

なんとなくで済ますのではなく、とことんこだわる頑固さがあるかどうかです。

清須市の大学受験 相伝学舎
http://www.sodeng.jp