月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

頭を悪くするな

どういうわけか、関数を微分積分したり、英語の構造を見分ける練習をしたり、古文で助動詞を見分ける方法を学ぶという過程で学生というのは頭が良くなります。

冷静に考えたらなぜこんなにも実用性ゼロの勉強で頭が良くなるのか分かりませんが、大学の偏差値順がおおむね頭良い順になっていることを考えると、やっぱりそうなんでしょう。

もちろん受験勉強だけが頭良くなる方法ではないし、大学以降でも人間は変化します。しかし、私自身、会社員として働いていたときにしていた勉強でもまた頭の良さが磨かれた気はたしかにするのですが、ベースとなっているのは高校時代に詰め込んだ受験勉強であるように感じています。

頭が良くなると周りの人間が見えていないような世の中の色々なことが見えるようになるので、今後迎える様々な岐路でその分だけ多くの選択肢を検討できるようになります。人生の豊かさとは選択肢の多さにあると思うので、塾生にはぜひ頭良くなって欲しいと思います。

さて、頭を良くする一方で、頭が悪くならないことも考えなければいけません。

人間というのは一人で居れば考えるのに、群れた瞬間に思考停止しがちな生き物です。「流される」というやつです。流されないためには、極端なことを言えば友人関係を整理することです。とくに一部の高校に所属している場合を除けば、高校時代にはあまり友人に影響されるべきではありません。友人付き合いをしつつ思考停止しないためには、よく考える習慣のある人と付き合うというのが条件になりますが、よく考えている高校生はその辺の公立高校には滅多にいません。自分自身の頭が未熟であったとしても、同じ程度に未熟な人間しかいないのであれば自分だけで思考をしたほうがマシです。

もう一つ、頭が悪くならないためには自分が接する世界を見直すことです。高校生を誘惑する世界としたらスマホかテレビ程度でしょう。スマホのゲームのなかには中毒性のあるものもありますが、当たり前の話でそういうゲームを作っているのは極めて頭の良い人たちの集団です。モバゲーを作っているDeNAなど東大京大が当たり前、なんなら海外でMBA取っている人も珍しくない、日本で最も頭の良い人たちです。給料もべらぼうに高いです。スマホの課金ゲームを通じて、日本で最も頭の良い人たち数百人が、頭の悪い数百万人相手に何百億円売り上げているのが現状です。何も考えずに楽しめてしまうものなので、やればやるほど頭を使わなくなってしまいます。

テレビも同様です。テレビを閲覧する人は老若男女様々です。テレビはたくさんの人に番組を見てもらって、ついでに広告を見てもらって広告収入で利益を出すわけですが、たくさんの人に楽しんでもらえる番組というのはどういう番組でしょうか?世の中ほとんどの人が思考停止の人間だということを考えれば、どんなに頭が悪い人であっても分かるように作られている番組であると想像できます。そういう番組を見て時間をつぶすとどんどん頭を使わなくなっていきます。頭を使わなくても楽しめるからです。

人間関係もスマホもテレビも、自分に情報を与えうるものは選択するべきです。ごく少数の人間関係を除けば「俺が最高」というスタンスで自分の考えに磨きをかける、中2病的発想は案外悪いものではありません。

という話を授業中にしてみました。

清須市の大学受験 相伝学舎
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