月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

進学校の生徒でも英語は中学レベル

英文和訳演習(駿台文庫)という参考書があります。この参考書には和訳問題、解答例、その添削、解説、が盛り込まれているのですが解答例にたいする添削とコメントが結構わらえます。

・・・のような訳は0点。こういう答案を見るたびに、私は、こういう人たちはどういうふうに教えたらここから脱出できるのかと、暗い気持ちになることも知っていてください。

生徒からしたら、いやいや、そんな気持ちわかってもこっちはどうしようもないじゃん!というツッコミをしたくなるかもしれませんが、これは教える側からしたら「その気持ち・・・分かる・・・っっ!」という共感しかありません。

接続詞は従属節を導く、前置詞は名詞を目的語にとり形容詞か副詞になる、文の主語は名詞、など基本的な事項を教えてもなお、従属接続詞を無視したり前置詞+名詞のカタマリを主語にとるという過ちをおかした答案を見ることが少なくありません。

もう、これ以上簡単に教えられないよ!とお手上げしたくなるのですが・・・それでも打つべき手はあるはず、と思いながらそういう生徒にたいする次の一手を考え続けます。

こういう過ちをしてしまうのは、中学時代に教科書の英語をひたすら覚えるという質の悪い勉強をしていたからだと私は予想しています。品詞や構造を意識せずとも、教科書の英文と日本語訳を覚えてしまえば定期テストも入試も一定の点数をとれてしまいます。その勉強方法を高校生になって続けると、どれだけ単語を覚えても英文の意味が正しく理解できません。

私の塾に通う生徒はみな進学校の生徒ですが、入塾の時点である程度英語の基本ルールを分かった上で英文を読めている生徒の割合は1割です。10人に1人は、ラッキーなことに中学時代の勉強方法がなかなかよくて、私が教える前から意識的にせよ無意識的にせよある程度ルールに基づいた読み方ができています。しかし残りの9割は、読解力だけでいえば中学時代に覚えた読み方から一切進歩していません。高校の授業で読解力が上がるということは今も昔もないのだな、ということを実感します。

そういう生徒には名詞、形容詞、副詞、前置詞、接続詞、といった品詞を理解してもらうことから指導が始まります。

 

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清須市の大学受験 相伝学舎
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