昨日のべたとおり参考書選びというのはまじめにやろうとしたら難しい作業なのですが、良い参考書を選ぶことができれば高校の授業を聞いているよりはるかに学力が伸びる可能性を秘めています。
最近、授業をしないということを売りにしている塾が存在するのはこれが背景です。つまり、授業はしないで生徒に適切な参考書アドバイスをして学力をあげることを狙うというものです。
1000円の参考書を選ぶだけのサービスが5万円10万円というのは、私の感覚では合理的です。適切な参考書がないなかで100時間の勉強をして偏差値が1あがるところ、適切な参考書によって同じ100時間の勉強で5あがれば、安いものだということです。
余談になりますが塾というのは時間にたいして単価がかかっていく計算をするところが多く、私の塾も一応は時間を基準にして月謝を考えていますが、サービスの提供側としては時間単価ではなく、得られる学力単価を安くすべきだと思います。意味がわからなかったら読み飛ばしてください。
で、話題を戻しまして、参考書選びのサービスというのはアリだと思うんですが、じゃあ実際にそれが高校生全員にとって有用かというとそれもまた違います。というか、参考書を選んで「あとは自習してね〜」といって自習で学力を上げられる生徒というのは、勉強のコツをつかんでいる生徒であり、割合としては10人に1人とか20人に1人とかの希少種であります。
適切な参考書での自習が一番という考えに変わりはありませんが、それだけで学力を伸ばせる生徒は少ないので、参考書と併用して授業でいろいろ伝えたり強調したりしたいし、定期的にテストを解いてもらって出来の悪いところの要点を伝えていくということが必要だと思うのです。
もちろん授業だけではいけません。週に2時間×2回の授業だけで学力があがるはずがありません。授業:自習の比は5:95くらいのイメージでいて欲しいです。授業で大切なことをしって、自習でそれを血肉にしていくという作業をくりかえしてください。
なので私の塾では、普段の自習で使う参考書のアドバイスと、授業で要点を教えることと、テストでのチェックをすべて盛り込んで、生徒の学力を上げます。まあ実際には入塾後に爆上げしている生徒もいれば今のところ微上げにとどまっている生徒もいるので、学力を上げようとしています、という表現のほうが正しいかもしれません。
現時点ではこれがベストだと思っているというだけですから、1年後にはまた別のことを考えているかもしれません。というか実は、まだ誰も気づいていないけど私だけがうっすら気づいている学力上昇の要因、というのに見当はついているのですがそれをどうやっていじくれるのかが分からないので、手をこまねいております。