新高1の春期講習は、中学の数学と高校の数学が完全に別モノであることをわかってもらうことに集中しています。
「野球とサッカーくらい違うからな〜チャート5回繰り返せよ〜」
と口でいっても、その通りにやってくれるとは限りません。というか、やってくれません。昨日今日と、これまでに教えた19題の例題を演習させていたのですが「何も復習してないだろ!」と突っ込まざるを得ない程度に、ボコボコです。
5回繰り返して身につけるという感覚を早期に習得してもらうためにも、最初のうちは勉強に積極的に介入します。展開と因数分解というのはそこまで難解ではありませんが、ここで「繰り返し演習して意味を理解すること」の意味を実感できれば道のりが一気に明るくなります。
たとえば因数分解の手法は、共通項をくくり出す、たすき掛けをする、次数の低い文字に着目して整理する、3乗の展開公式の逆をする、と手数は限られています。その一つ一つを授業で聞いて「わかる」というか「分かった気になる」というのは、中学時代まあまあ成績の良かった生徒にとっては難しいことではありません。
しかし、授業を聞いて「分かった」という感覚が実は「分かった気になった」だけであるということに気づけるかどうか。それは、5回繰り返し復習していくなかで、4回目とか5回目でやっと実感できることです。
「合っていた問題も5回繰り返すんですか?」
YES!よほど簡単な計算問題を除けば、2回目くらいで正答できたことにたいして意味はなく、問題を見てから答えにいきつくまで呼吸するヒマもないくらいサラサラ解けるという状態になるまでは、「出来るようになった」と私は定義しません。
サラサラ解けるという状態になると、問題を見る目が変わってきます。
好きな映画を2回、3回見ていくとだいたいのストーリーが頭に入っているので、ストーリーの細かいところとか、伏線の関係を楽しめるようになるでしょう。数学も同じです。繰り返していくうちに、前後関係が読めるようになります。