一流大学からの一流企業(国内)の他に、一流大学からの一流企業(外資)という道もあります。
apple、amazon、microsoft、google、oracle、P&G、アクセンチュア、マッキンゼー・・・有名なところでいうとこういう会社です。
これらの会社への就職というのは、会社への就職という意味よりも業界への就職という意味のほうが強いんじゃないかというのが私の考え。というのも、外資系の会社というのは社員が定年まで勤務し続けるものというスタンスではないし、社員のほうもまた定年まで勤務し続けるつもりはないというスタンスだからです。そこで働くのは成長できるからであり、他にもっと成長できる場があるのならいつでも転職できるし、転職することによって給料が下がるというケースは同一業界内なら少なく、むしろ上がる場合すらあります。また、日本の会社の部長が解雇されたら路頭に迷う可能性が高いのにたいして、外資系の部長が解雇されたらどこか適当な会社に引き抜かれて仕事を続けるというのが普通。
私の所属していたtrendmicroは厳密には外資ではないのですが実体的にはこのカテゴリーだったので、成長意欲が高くて変化を好む人間が全員ではないにしろ比較的多い環境というのはとても心地よかったです。
外資系企業=英語を使って海外でバリバリ働く、というイメージを持つ人も多いかもしれませんが実際は逆。英語を使って海外でバリバリ働くというのは昨日書いた、日本の会社で海外を相手に商売しているトヨタとか、そいういう会社です。外資系企業への就職というのは、外資系企業の「日本法人」への就職なので、基本的には国内での売上を積み上げていく場所です。お客さんは日本人だし、たしかに外国人の社員はそこそこ多いですが、社内での公用語は日本語だし、たまに海外法人の人とメールをする機会もありましたが6年間勤務していて20回に満たない回数でした。
外資系企業は身分が不安定だし、会社に社員寮とか社員食堂とか保養施設がない分、基本給が高めです。入社1年目の時点で給料は日本の会社の1.5〜2倍くらいで、その後も高めに推移していきます。
ただし、極端なところだと"up, or out"といって「昇進できないなら退職してね」という会社もあるし、そうでなくとも60才くらいまでどこかの会社で働けるようスキルアップしていかないといけないという、お尻に火がついた感を常に感じながら生きていくことになります。
また、「やっぱ日本から撤退するわ、テヘペロ」とヘッドクオーター(本国)が言い出したら、トカゲのしっぽを切るように整理されてしまう可能性もあります。
しかし、この層での人生というのはそもそもそれなりにリスクを背負うことになるので、国内市場が縮小するとか日本法人が撤退するとかはそれに比べたら些細なもので(単に転職すりゃいいって話になる)、それより自分の職業人生をどう確保していくかの戦略を立てることのほうがよっぽど問題です。かくいう私は、文教市場(小中学校)で売るのが好きだったので、最後の2-3年くらいは文教市場の担当を回してほしいというアピールを結構していました。私が外資ITの世界で生きるのなら、たぶんあの道を進んでいたと思うんですが、もっと夢を追うことにして、辞めちゃいました。