月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

気づかない下りエスカレーター 5

最後、高卒の層を書こうと思ったのですがあまりに実態が分からないため発言は控えます。そのかわり、今出現しつつある層について書いてみます。

他国がどうか知りませんが、日本という国は経済成長に成功してそれなりに物質的に豊かな国になって、15万円稼げれば死ぬことはない、というか住むところさえあれば5万円でも十分生きていけるという状況にあります。

実際には、家計の収入はもっと多いので、じゃあ余ったお金を何に使うかということになるわけですが、それが以前なら家電製品とか車とか、一昔の世代においてはみんなが欲しいものを順番にそろえていくという時代があったように見えます。

しかし、今は家電にしろ車にしろいくらでも安価にマトモなものが手に入るし、みんなが欲しいクラウンが欲しい、という時代でもありません。

人によって欲しいものや歩みたい人生が異なっていて、誰もそれにたいして文句を言わないという時代に突入しています。平たい言葉でいえば「個人の時代」です。

最近のテレビ番組は、個人に焦点をあてたものが10年前と比較してとても多いと感じます。テレビを見なくとも、インスタグラム上ではちょっと素敵な個人が人気を集めているし、youtuberなんてジャンルもまさしくちょっと有名な個人です。

このことは、ある一つの大きい成功例をみんなが追いかける時代ではなく、人によって求めたい人生のイメージが分散していて、自分がいいなと思ったものだけをフォローしていく時代にあるということを示唆しています。

有名人がたまに「好きなことが仕事になる時代」(google検索結果)というようなことを言っていますが、自分がフォローしたくなる人物というのは、その好きなことにたいして全力で没頭している人です。

人がフォローしたくなるほど自分の趣味に没頭できれば、それが仕事になる時代です。ただ、とりあえず大学受験をして就職していくんだろうなあと思う人にとっては完全に無縁なこと。一生、フォローする側です。また、なろうと思ってなれるものでもないと思います。好きでやっていたら、いつのまにかフォロワーが出来て、生活できる程度の収入になった、というのが今の段階では実情でしょう。

みんなと同じことがよいことと習ってきた日本人にとって、今は「えっ、自分の人生選んでいいんだ」と気づき始めた段階ですが、一度身近なところで事例を見るとその流れは加速していくことでしょう。

「個人」として生きていく人の割合は、おそらくあと5年くらいは増加していくんじゃないかと思っています。私も多かれ少なかれblogを通じて個人を売っているのでこのジャンルに片足を突っ込んでいます。

 

清須市の大学受験 相伝学舎
http://www.sodeng.jp