月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

五条高校の生徒が3年間しっかり勉強して国立大学医学部に現役合格した話 8

高3の部活引退以降、Kさんは平日16時台から自習室にきて自習室の終わる22時まで自習を続けていました。自習が勉強の中心である、というのは受験に成功する人にとっては普通のことですが、地方の公立高校生にとってはピンとこないことかもしれません。というか、学校の宿題をやり終えてしまったら何をしたらいいかわからない人も多いのではないでしょうか。

この後はあまりアドバイスをすることはなく、夏休みころに、二次試験の過去問題を一回は解いておくように伝えたくらいです。高3の夏休みくらいだと、まだまだ国立二次試験は満足に解答できませんが、だいたいの距離感や出題傾向をつかんでおく必要はあります。距離感がわかれば、各科目においてどれだけ頑張らなければいけないのか目安がつきます。高校では、最終的に出願する大学がとんでもない僻地大学に変わることを知ってか知らずか、二次対策が強調されることはないように思います。

Kさんが当初志望していたのは浜松医科大学ではなく名古屋市立大学だったのですが、高3の秋の時点で志望者順位はどの模試でも志望者順位が上位20〜30%の位置につくようになっていました。学校内順位でいうと、総合で10〜20位です。ここまでくれば、あとは現役の最後の伸びを期待するのと、志望校対策の作戦をよく練ることで合格圏内に十分届いてきます。ちなみに、上位20%に位置しても判定はたいていE判定です。

現役での大学受験というのは、どれだけE判定が続いても「合格する」と思い込んで勉強を続けることが大事です。高3の最初のうちは、A・B判定は絶対に出ません。直前まで入試レベルの学習をやっていた浪人生と、模試の問題で争って勝てるわけがないからです。高3の最初のうちは厳しい判定がつづいても、秋以降にD判定以上が一度でも出れば十分です。最後の模試が終わったあと、2月下旬の国立大学前期入試まで2ヶ月以上あります。この2ヶ月で現役生は最後の急成長をして、勝負に挑んでいきます。

12月近くになるとセンター対策を相当やりこんでいました。たしか年末までに「河合塾の25回分の過去問題全部終わってしまったんですが・・・」といっていた気がします。結局、マーク模試の過去問を買って解いていました。 センター試験では英語192、リス46、数学98+95、理科95+93、社会68、国語140で合計が87%と勝利ではないものの引き分けで二回戦の二次試験に可能性を残すことができました。

しかし、K氏に言いたい。これだけセンター良かったなら、自己採点してすぐに報告しろよ!と。センター直前まで毎日自習室に来ていた生徒が、センター後3日も顔を出さなかったら、相当結果が悪かったんだな、なんて声をかけてあげたらいいだろうか、と心配するじゃないか。まあ、結果が良かったからいいんだけどね。

なんにせよ、二次試験まで残り40日です。  

ここでまたひとつ、五条高校生、いや、愛知県の高校生には他の難関大学受験生と比較して圧倒的な不利が待ち構えています。それは「自由登校がない!」です。

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