夏休み期間中に「数学演習」というクラスを作ってみました。全部で12日間やっていて今日までで10日間が終了しています。
これで何をしたかったかというと、生徒の自習の質を向上することです。
今までずっと疑問があって、「数学が苦手になりました」という生徒を教えて、たいていは教科書の学び方を教えて、チャートを繰り返し解いてみよ、ということを最初に教えるわけですが、それで数学苦手が解消される場合と、すぐには解消されずに長い年月がかかるケースの2パターンが観察されていたんです。
両者の境目はどこにあるのだろうかというのを1年以上ずっと考えていて、最近ようやく目星がついてきました。自習のときの問題の解き方です。
イメージで言うと、自転車をこぐときに軽いギアから思いギアへと変速していって、こぎ始めからトップスピードまで足に力が入っていてちゃんと前に加速しながら進むというのが、出来る生徒の数学の勉強のやりかた。問題の意味を理解して、模範解答の意味を理解して、模範解答と同じように解けるようになったら「出来た」となる。
一方で、出来ない生徒はチェーンが外れた状態でペダルをこいでいるイメージ。「チャート10回やってるんですがダメです」という同情せざるを得ない生徒に何が起きているのかというと、たぶんチェーンが外れていて足に力が入っていない。そしてそれに、気づいていない。
問題の意味も分かっていない、解答の意味も分かっていない、しかしとりあえず解答の流れを覚えているので答えにはたどり着く、それでチャート10回やっても出来るようにならない。
もちろん「問題の意味を理解する、解答の意味を理解する、再現する」ですべて解決できるんですが、それが出来ないから困っている生徒に、どうやって教えたら良いのかずっと分からずにいました。生徒も無意識のことだと思うので、口でいっても伝わらないでしょう。それでたまに授業中にいくつかアイディアを試していて、なんとなくこれだろうなというのが分かったので、今回実験として「演習演習」というクラスを作ってみたわけです。クラスというか、ただの期間講習ですけど。
実際、何をしているのか明日書きます。