英語ができるようになるためには、英語に対する好奇心がないと絶望的です。参考書に書いてあることや授業で教わったことを覚えることはもちろん前提ですが、それに関連することについて自分で英和辞書や英文法辞典(私の塾ではチャート式)を引いてみるという、一歩踏み込んだ姿勢が必要です。
たしかに「英語は苦手だし嫌い」というひともいるかもしれませんが、嘘でもいいから「英語はまだ苦手だけど好き」と言わないとダメ。好きと言い聞かせているうちに、本当に好きになればよいんです。
英語に限らず、勉強が苦手でかつ嫌いな生徒が学力をあげるのはきわめて困難です。それは指導者側からみてもおなじ。好奇心を持たぬ生徒には、無理やりやらせるという奥の手もあるようですが、私はそんな生徒は学力の伸びぬまま志望校に落ちてしまえば良いと思っているので最低限のこと以上には何も手を差し伸べません。
でも本当、好きでもなくてやりたくもない人は勉強なんて辞めてユーチューバーでも目指したらいいと思いますよ。経済学の一つの考えに「比較優位」というものがありますが、平たく言えば、それぞれが得意なことをやりましょうということです。
勉強は結果が出るまでのタイムラグの大きい種目なので、勉強が好きだと思えるにはそのタイムラグを一度や二度は超える経験をしないといけません。三ヶ月コツコツ積み上げたあと少し振り返ったらちょっと景色が変わっていて嬉しい、そしてまた前を向き直して三ヶ月後を楽しみに歩き出す。毎日チャートを10題解いて、単語を100個覚えることを苦痛に感じるひともいれば、三ヶ月後の自分を想像して楽しむ人もいるのです。