月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

こんなにキツくなった私大入試

この2年で、難関私立大学への入学が難しくなりました。難しくなったのは「入試問題」ではなくて「入学すること」です。たとえば、こんな数字があります。

 

南山大学 経済学部 

1638名(2015年度)→1399名(2017年度)

明治大学 政治経済学部 

1160名(2015年度)→745名(2018年度・今年)

 

これ、各大学の「合格者数」です。明治大の745名というのは今後補欠が出たらもう少し増える可能性はありますが、合格者数を比で見ると、

南山大学 以前の85%

明治大学 以前の64%

合格者数が減っています。南山は1年前の数字なので、今年はもっと数字が落ちてるはずです。普通、各大学の受験者というのは、「余裕で合格滑り止め」層と、「実力相応」層と、「ワンチャン狙い35,000円ガチャ」層に分かれます。今年の感覚でいうと、「余裕で合格滑り止め」層にいないと難関私大は合格出来ないと言っても過言ではありません。

ある生徒が模試で青山学院大A判定、さらに過去問を解いたら11月の時点で合格最低点を超えていまして、こりゃ余裕で受かるだろうと思ってふたを開けてみたら補欠合格でした。合格最低点ギリギリだったわけです。11月の時点で合格最低点をとれていた生徒ですよ?それが2月の入試になったら、普通に考えたら余裕で合格でしょう。なのに、そんな生徒でも補欠合格がやっと。

今年マーチに受かるには早慶にチャレンジできるレベルじゃないと無理で、今年早慶に受かるには一橋にチャレンジできるレベルじゃないと無理だった、という感触です。

この「合格者激減」傾向の背景にあるのは「地方創生」というやつです。私、普段政治なんてまったく興味ないんですが、今回ばかりは少々ムカつきました。

興味のある人は、↓の記事をみてもらえばだいたいつかめます。

大学の定員超過抑制のため、私学助成不交付基準を厳格化 | 大学改革を知る | Between情報サイト

サンデー毎日発:入学定員厳格化で狭き門 私立大後半戦を勝ち抜く - 毎日新聞

この背景を考慮すると、来年も私大入試は一段と難化します。難関私大を志望していた人は非常事態です。今日から、今までの2倍勉強しましょう。国立大志望者でも、文系はたぶん競争がキツくなります。今回の入試結果をみたら「科目数増やして、国立目指して頑張ったほうがいいのかも・・・」となる受験生がいてもなんらおかしくない。

私立から国立への方向転換なんて出来るわけないじゃん、と思ったあなた。

たとえば名古屋大学の経済学部や、名市大の経済学部なんかは、受験科目における英数国の配点比率が90%近いので、「理科と社会は適当にやって、英数国に集中してチャレンジしよう」という戦略が立てられます。とくに2次試験の数学は1問あたりの配点がデカいですから、数学を最強にすれば理社を無視して合格点を力技で、という考えも十分合理的です。

理系は国立志望でいく限りは影響が比較的少なくて済むかもしれませんが、滑り止めの私大のプランは今までの常識よりも一つレベルを落としていったほうがいいでしょう。

 


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