月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

「やるべきこと」と訳せるから形容詞用法なのではない

英文法は数学と違って、難解なものがありません。「数学が分からない」とか「英語が読めない」という悩みは聞いたことがあっても「英文法が理解出来ない」というのは聞いたことがない。でも英文法を理解出来ても、英語が読めない生徒はいくらでもいます。

学校の教科書の読解の授業も同じ。英文とその和訳を与えられたら、暗記することくらい誰でも出来ます。実際に、そうやって定期考査を乗り切っている高校生も多いと思います。でも、教科書を覚えても全く同じ英文が出ない限り、骨折り損というやつです。

入試で一番得点につながる勉強は、初めてみる英文でも正確に意味をとれるようになる勉強ですが、ほとんどの高校生はこの勉強を知ることなく入試を迎えます。私も高3の秋まで知りませんでした。

たとえばto不定詞の形容詞用法

Ann was the first student to solve the problem.

I have a lot of work to do today.

They had no house to live in.

の3つの例文とその意味を覚えても、文中でto不定詞の形容詞用法が出てきたときにその不定詞が形容詞用法であって、どういう意味になるのかを判別する方法を知らなければなんの役にもたちません。

例文1の

Ann was the first student to solve the problem.

は「アンはその問題を解いた最初の生徒だった」という意味でto solve以下はstudentにかかる形容詞ですが、これを初めて読んだときにto solveと副詞用法と読んで「その問題を解くために、アンは最初の生徒だった」というのは誤りだと言えるのはなぜか?blog読者のみなさんは「そんなの日本語がヘンじゃん!」と思うかもしれませんが、生徒に和訳問題を解かせると、意味不明な日本語なんていくらでも出てきます。「これ、自分で読んで意味分かるのかよ?」と突っ込みたくなる気持ちを抑えて添削してますよ。少々和訳がヘンだなと思っても、無理矢理日本語の意味を解釈しようとするんですよ、高校生って。(ちなみに上の例文は文法的には副詞用法と考えてられなくもない)

例文2も同じです。

I have a lot of work to do today.

「私は今日、やるべきことがたくさんある」という中学生のころから慣れ親しんだ例文ですが「『やるべきこと』と訳せるから形容詞用法」という認識は致命的な誤りです。 

清須市の大学受験 相伝学舎
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