月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

真面目と不真面目の境目

合格のための作戦というのはどのようなものでしょうか?

まず、運転免許の試験について思い出してください。多くの人は、教習所に通って最後に各県の試験場でテストを受けて免許を手にしたと思います。あ、いきなり高校生にとってまったくイメージのわかない話でごめんなさい。

さて、運転免許の試験を合格にするにあたって「真面目」にやるとはどういうやり方でしょうか?もちろん、普通に教習所に通って、普通に学科の授業を受けて、普通に実技の授業を受けて、普通に仮免の試験をパスして・・・と、まわりの教習生と同じように取り組んだと思います。まさか、学科の授業中に「この先生の授業は効率が悪すぎる、内職しよう」などという人はいないでしょう。

では今度は高校生にとって分かりやすい話にします。中学生時代に英検をとった人はいますか?私は中学生のときには5級と3級をとったんですが、5級を受験したときには「なんだこの簡単すぎる問題は・・・」と思ってびっくりした記憶があります。みなさんも、簡単すぎて腰を抜かしたのでは?では、そのときどんな勉強をしていましたか?私は中学校の英語の授業を受けたほかには、英検の過去問題を何度か解いた程度だったと記憶しています。英検5級のために塾なんて大げさでしょう。みんなと同じような勉強をして、みんなと同じように受かったのです。

運転免許の例でも、英検の例でも共通しているのは、「多くの人が合格するような試験は、周りと同じことをやれば十分」ということです。教習所の授業は真面目に聞けばよいのだし、英検5級くらいなら中学校の英語の授業を聞けばよいのです。それが合格の作戦の王道といって良いでしょう。

では、大学受験はどうでしょうか?こちらも、周りと同じことをやれば十分でしょうか?もちろん、NOです。大学受験は基本的には落ちる試験です。クラス40人のなかで4月の時点の第一志望校にちゃんと合格する生徒はいったい何人いることか。5人もいれば大変優秀なクラスといって良いでしょう。残りの35人は第一志望に落ちるどころか、挑戦さえせずに終わってしまう人も多いのです。第一志望の大学をちゃんと受験して、おしいところで落ちたらそれはそれで受験がうまくいったほうなのです。

とすると、クラス40人を見渡して、自分が彼ら彼女らと似たようなことしか勉強していなかったらどうでしょうか?今度は逆に、同じことをやっていたら十分なのではなくて、不十分ということになります。

でもこれはなかなか気づきません。小学校、中学校とみんなと同じように「協調性をもって」などと言われて育ってきた真面目な生徒が気づくはずがありません。当塾の生徒だって、私が「内職しなきゃ受かるはずないでしょ」と言われなければ今頃気づいていないでしょうし、実際にそうやって受かっている先輩の事例があることを見なければ半信半疑でもおかしくありません。

このblogを読んでいる人だって、また木村がなんか言ってるよくらいにしか感じられないと思います。「実は、この現実世界はコンピュータ上で動いていて、私たちがみている世界はあっちの世界の人たちが作り出したものなのだよ」と言われても、一度外に出てみなければ信じられないのと同じです。内側にいてそれに気づくのは天才です。

対外的には真面目に生きているようで、実は自分の人生にたいして真面目に生きていない人が多いです。余計なお世話かもしれませんが、もっと自分の人生を大切にすべきです。ブラック企業で他人に搾取される人も、受験勉強を学校の勉強だと考えている人も、自分のことを客観的に見ていない点で似ています。

日本は、憲法で人権が守られている国なのに、人生の主権を持たないなんて私からしたら意味が分かりません。ちゃんと自分の頭で考えて、判断して、自分の責任で行動しましょう。

清須市の大学受験 相伝学舎
http://www.sodeng.jp