月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

諦めるとか見捨てるというのとは逆のこと

塾というのは、入塾してから受験が終わるまでというスパンでみると中古車くらいは余裕で購入できてしまうくらい高い買い物です。高いところだと外車1台くらい買えるところもあるようです。

当塾は高校生がメインですが、早い人だと小学生からどこかに塾通いしていますから、そういうご家庭だと塾代というのは家、車についで第3位くらいに入賞するのではないでしょうか。

そういう高い買い物なので、入ってから「なんか違った」とならないように、このブログでは塾の大部分のことをオープンしています。あまりに書きすぎているので、私に会って会話しても「あ、これブログに書いてあった話だ」という話しかできません。

なので是非当塾をご検討中の方は、ブログを読んでご参考にしてください。

昨日書きましたとおり、当塾には生徒のケツを叩くという機能がありません。全然勉強やってないな〜やばいな〜という生徒でも、静観します。もちろん、どうすればその生徒に気づきにつながるかとか、すでに全力疾走してる生徒でもどう接してやればさらに燃えるかとか、色々考えているのですが、直接的に「やらないと居残りだ」みたいなことはないということです。

というのも私は合格するのが難しい大学というのはケツを叩いて合格できるものではないしすべきものでもないと考えているからです。

自習の件も自分で「こっちのほうが効率的じゃね」とどこかのタイミングで気づいてもらわないと、強制的にやらせるとまったく威力を発揮しません。青チャートや英語で指定している参考書なども、もちろん学校で取り組むものとは違いますので、やはり自分で「これをやると学力が本当に上がりそうだ」と気づかない限りは、それを使って主体的に学力を得ようという気になりません。

そして誰もがそういう気づきにいたるような魔法の働きかけというのは今の未熟な私は知らなくて、基本的には見守って待つほかないのです。

自転車にギアというものがありますが、こぎ始めは軽く、だんだんと重くなっていきます。一番重いギアが、一番速いギアです。

では全員が一番重いギアから走ればいいのかというと、もちろん最初は軽いギアから走り始めます。そこで速度があがって「そろそろ次のギアだな」という適切なタイミングで次のギアに移っていきます。

勉強も同じで、「自習中心でかっとばす」という一番重いギアで生徒全員が突っ走ってくれればいいのですが、まだそこまで重いギアにいく何段階も前のギアでゆっくり走っている生徒がいるのも事実です。そういう生徒には、今のギアでそれなりに速度を上げてもらうを待つこと、すなわちこちらが見守って待つことが避けて通れない成長の段階です。「受かりたい」と思わない生徒はいないので、色々自分で考えているなかで私の知らないうちに気づいて行動している光景を年に何度か(何人)か見ます。気づいたら3段くらいギアを上げていていつのまにどうしちゃったの、ということもあります。

なので、勉強をやらない生徒に何も言わないのは、諦めるとか見捨てるというのとは逆のことです。むしろ、あの手この手で脅迫してやらせることのほうが、「こいつは放っておくとやらない人間だ」と諦めていることになるのです。


大学受験 相伝学舎 (清須校舎、桜山校舎)
http://www.sodeng.jp