NHKをぶっ壊すとか壊さないとかいう話がありますが、以前trendmicroに勤めていた時に、マーケティング部署のトップに新しく転職してきた人がいました。trendmicroは東証一部の会社ですが株主構成を見てみると外資系企業ということになります。外資系企業は、部門長が他社に転職したり、あるいは他社から転職してきたりすることが結構な頻度であります。というか部門長に限らず、日系企業と比べると全てのポストで出入りが激しいです。
その新しく転職してきた部門長が「trendmicroをぶっ壊す!」と全体ミーティングか何かで発言していました。
その発言意図としては、おそらく、今までの習慣を見直して悪いところはどんどん改善していこう、くらいのことだったと思います。
一応trendmicroは文化として3CITといって、
Customer, Change, Collaboration, Innovation, Trustworthiness
を大事にしていこうといっていたので、新しい部長さんの発言はChangeという価値観と方向性は一緒だったはずです。
が、結構な短期間(ほんの数ヶ月)で辞めていってしまいました。
後日、先輩と話していて
「キム〜あの部長さんは『ぶっ壊す』って言ってたけど、今まで『ぶっ壊す』って発言した人みんなすぐ辞めてるよw」
みたいなことをおっしゃっていました。
いくら変化を大切にするという社風でも、そこで働いている人は人間であり、人間には物理的にも精神的にも慣性の法則が働いています。すなわち、「基本的には変化したくない」という法則です。
仕事は必ずしも変化し続けなければならないわけではないと思いますが、社会が変化している以上、少なからず対応していく必要はあると思います。
小学校時代にサッカー部をやっていたときに顧問の先生が「ボールがどれだけ遠くにあっても、ボールが動けば自分も動くだろう」と言っていたのを思い出します。